練習のやり過ぎ?


 ○ ぎりぎりとねじを巻いての練習も ときにはゆるめてまた巻き戻し


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ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」        2006年 6月 22日(木)第70号

 (^O^) ゆとりある人のための10分エッセー (^O^)

 【 練習のやり過ぎ? 】

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ ぎりぎりとねじを巻いての練習もときにはゆるめてまた巻き戻し

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 6月9日ドイツでワールドカップサッカーが開幕しました(^_^)。
 F組の日本チームは予選リーグ初戦のオーストラリアに3対1で負け、2戦目クロアチアとは0対0の引き分け。
 21日現在1分け1敗の4位です(-_-;)。

 予選リーグ敗退が決まったわけではありませんが、23日(金)の最終戦で、決勝トーナメント進出を賭けてブラジルと闘います。
 しかし、世界ランク1位のブラジルから2点以上とらなければならず、実質的にはすでに敗退が決まった感じです(^_-)。

 私はオーストラリアに負けた後、予選リーグ突破の確率は1厘になったと見て(^.^)以下のような狂短歌を詠みました。

 ○ 九分九厘突破は無理の初戦負け絶望のあと歓喜はありや?

 このときはそれでも2戦目でクロアチアに勝てば、まだ可能性があると思っていました。なぜなら3月のWBC奇跡の逆転優勝が思い浮かんだからです。二度あることは三度あると言うではありませんか(^.^)。

 しかし、クロアチア戦が引き分けになったため、さすがにWBC日本チームのような奇跡は起きづらいなと思いました。
 日本が野球のように世界サッカーで大活躍するには、まだまだ時間がかかりそうです。

 今回ワールドカップ開幕前、日本チームの練習ぶりが(テレビや新聞で)たくさん報道されていました。そのころ私は二度ほど「いやな予感」にとらわれました。これはもしかしたら、日本チームの活躍はないかもしれないなあ、といういやな予感です。
 当たって欲しくない予感でしたが、すでに3分の2は当たってしまいました(^.^)。

 今号はそれを書いてみたいと思います。題して「練習のやりすぎ」。

 さて、大一番を前にして私たちはどうやってその日その時を迎えるのでしょう。
 どうすれば大一番で実力を100パーセント発揮できるのでしょうか。

 答えはいろいろあると思います。
 これ以上はできないほど練習を重ね、その自信が裏付けとなることは間違いありません。
 しかし、試合でここという集中力を発揮するには、日々の練習だけでは足りないのではないか。時には締め付けたねじを、ゆるめる必要もあるのではないか、と私は思います。

 今回大一番を前にして日本とオーストラリア、両国が開幕直前に見せた姿は、この考え方の違いを浮き彫りにしました。

 開幕数日前テレビや新聞では、各国チームが地元の人々といかに交流しているかが報道されました。
 それで思い出すのは前回2002年のコリアジャパン大会で、大分中津江村にキャンプを張ったカメルーンチームです。
 開幕前カメルーン選手数人が地元の小学校を訪ね、小学生たちと交流していました。イギリスのベッカム選手も淡路島で地元民と触れあっていました。

 今回ドイツで日本チームの選手が、合宿施設から外へ出ていったという話が全く流れてきませんでした。何度かあった合宿地ボン市民との交流会では、全て役員が出向いていたそうです。地元の人はつまらなさそうだったと報道されていました。
 そりゃあそうでしょう。合宿地で日本を応援している子ども(や大人)は、中田・中村など有名選手を見たいし、会いたいものです。
 私はこのことを知ってちょっといやな予感がしました(-_-)。

 オーストラリアチームが地元の人と交流したかどうかはわかりません。日本同様交流会に出なかったかもしれません。しかし、オーストラリアチームは開幕前日に意外な行動を取りました。
 その日オーストラリアチームは完全休養日で、ヒディンク監督や選手は一日ゴルフをやって楽しんだというのです。そこで彼らは完全にサッカーから離れたのです。しかも開幕前日に。

 かたや日本チームは相変わらず毎日の練習漬けでした。完全オフにしたのは、6月4日練習試合マルタ戦後の一日だけ。その後はひたすら練習に明け暮れ、開幕前日ももちろん練習でした。
 このことを知ったときも、私にはいやな予感が走りました(-_-;)。

 私はゴルフをやっていますが、たくさん練習したからと言って必ずうまくなり、必ず本コースで力を発揮できるわけではありません。
 特にパターは疲れていると入りません。パターには何の力もいらない。ただ、入れてやるぞという集中力と、ミスを怖れず(軽く強く)打てるか、その勇気だけです。
 ところが、疲れていると(昼食でビールなんぞ飲んでいると^.^)、その集中力がこめられないのです。
 あるいは、グリーンへの寄せでちょっとしたザックリやトップのミスを犯します。ミスは必ず起こります。集中力が持続していれば、そのミスを挽回できるけれど、疲労で集中力をなくすと、同じ失敗をまた繰り返すのです。そして、そのうち大崩れがやって来ます(^.^)。

 要するに、大一番を前にして、ぎりぎりねじをまく必要はあるが、まき過ぎては力を発揮できないのです。
 時にはまいたねじをゆるめ、もう一度巻き返す――そんなことも必要だと思います。

 ドイツ開幕前の一週間、日本チームの動向を見て練習のやり過ぎではないか。どこかで一度サッカーを離れてバカをやったり言ったりして心から笑い、サッカーのことを忘れる時間帯を設けるべきではないか。私はそう思いました。そしてまた集中して練習に励む。その巻き戻しとでも言うべき過程が必要ではないかと。
 しかし、残念ながら日本サッカーチームにそのような態度は見えませんでした。

 そこへいくと、オーストラリアヒディンク監督はねじの締め方、ゆるめ方という機微を心得ていたようです。彼は前回大会で監督だった韓国チームを、ベスト4まで導きました。名将と言われるゆえんがわかるような気がします。
 オーストラリアと日本はほぼ互角の力だと思っていただけに、ぎりぎり巻き続けた日本とゆるめたオーストラリア、その違いが初戦の結果に現れたような気がしてなりません。

 王国ブラジルはもちろんそのような気分転換はお手の物。本大会で試合会場に移動するバスの中では、いつもサンバの太鼓を叩いて浮かれているそうです。余裕のある試合運びも、たぶん王者の余裕なんでしょうね(^_^)。

 さて明日はブラジル戦。今度こそ間違いなく1厘の確率です。
 私はそれでもその確率に賭け、今夜は早寝して明日早朝のブラジル戦を応援したいと思っています(^_^)。

 ガンバレニッポン!


 ○ ぎりぎりとねじを巻いての練習もゆるめなければ力は出ない


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:私はサッカーというのは「敵チームと闘う」戦争のようなもんだろうと思っていました。ところが、ブラジルチームは試合開始直前ロッカールームで、神に祈りの言葉を捧げるようです。その中に「悪いことが、僕たちと対戦相手に起こらないようマリア様に祈ろう」という言葉がありました。対戦相手のことも祈るとは、と感心しました(^_^)。戦争だったら相手のケガを祈るでしょう。戦争のようなもんだろうと考えていた自分が恥ずかしくなりました。(祐)


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