○ 受容者は全てささげて愛するけれど 果たしてそれは誰のため?
メルマガ配信「狂短歌人生論」6 2022年3月09日(水)第 187号
『狂短歌人生論――本当は愛することより大切な』
今回は第二章「脅迫・批判・傍観・受容の四タイプ」
その二「四タイプの恋愛」5。
1 脅迫者 黙ってオレについて来い 文句言ったら平手打ち
2 批判者は理詰めで愛を説くけれど 恋は理屈じゃありません
3 傍観者 すねて甘えてそっぽ向く そのかわいさに相手はころり
4 受容者は全身全霊奉仕する その愛なぜか息苦しい
5 受容者は全てささげて愛するけれど 果たしてそれは誰のため?
狂 短 歌 人 生 論
第二章 脅迫・批判・傍観・受容の四タイプ
その二 四タイプの恋愛
前号4の狂短歌と問いは以下の通り。
4 受容者は全身全霊奉仕する その愛なぜか息苦しい
献身的に奉仕する愛はこの上なくありがたいのに、やがて相手を息苦しく感じさせ、捨てられる可能性が高い。
それはなぜか。考えてみてください。
次号への宿題といたします。答えは……
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5 受容者は全てささげて愛するけれど 果たしてそれは誰のため?
受容者が親になると、我が子をやさしく抱きしめ、甘えさせる育て方をしやすい。特にこのタイプの母親はやさしい。
かつて《日本のおふくろさん》はやさしく子どもを愛し、家族につくす理想の女性だった――と中年以上の男性はいまでも思っているかもしれない。受容者の親は我が子をとても愛しているように見えるだろう。
だが、受容者の母に育てられた子どもは、やがてこの母が本当は「自分を愛していないのではないか」と思い始める。なぜなら子どもが自立しようと思ったとき、この母は我が子の自立を認めようとしないからである。
そもそもかくまでに愛されると自立自体とても難しくなる。
この母は子どもが大きくなり、本人にやらせるべきことまで彼女がやってしまう。
食事はもちろん、着替えや掃除に洗濯。いつまでたっても母が世話をする。「いやなことはしなくていいんだよ」と言い、小さな悪も大目に見る。
子どもは母の愛をたっぷりと感じ、「ああやさしい母のふところから出ていきたくない」と思う。だから、自立が難しい。
だが、どんな子でも必ず自我に目覚める。甘やかされた子どもだって自我に目覚め、独立しようと思う。そのとき受容者の母は子どもの眼前に立ちふさがる。
いや、子どもの背後から彼を抱きしめ、べったり巻き付いて離れようとしない。
たとえば、受容者の母は息子に「遠くへ行くな。危険な仕事につくな」と哀願する。
それは時に涙もろく、ときに激しい言葉で絡む。
やがて母は息子の恋にまで干渉する。息子が連れてきた女性を、「あの人はあなたにふさわしくない。あなたにぴったりのお嫁さんを探してあげる」などと言う。
ここに至って息子は気づく。母は自分を縛り付け、彼女のそばに置きたいだけではないか。母のいろいろな言動は息子のためというより、母自身のためではないか。そんな疑問にとらわれる。
確かに母はやさしい。子どもは母の限りない愛を感じる。だが、彼女と一緒に暮らしている限り、自分は自立できないと思う。
こうして子どもは母のふところから逃げ出す。この母から離れない限り、決して自立できないからだ。
要するに、受容者の母は我が子をとても愛しているように見えるが、彼女が本当に愛しているのは自分自身なのである。自分が愛されたいから、子どもの全てを許し甘えさせているだけである。
それゆえ、この母は子どもが自分から離れることを許さない。我が子が不幸に陥る――つまり自分が不幸になると思われる仕事や結婚に猛反対するのである。
この母は子ども自身の幸福を願っていない。子どもをふところに抱くことによって、自分の幸福が続くことを願っているのである。
これを一言で言うなら、《子離れのできない母》である。
おそらくこれは彼女にとってほとんど意識されない感情であり、行動であると思う。
受容者タイプの女性は言うだろう。
「自分だけを愛しているなんてとんでもない。私ほど人にやさしく、人に奉仕する人間はいない」と。
全ての受容者タイプの女性や男性は私の説明を断固否定するに違いない。
それなら次の例はどうだろうか。
昔「♪あなた好みの女になりたい」という歌がはやった。
水商売によくある話だが、女性が男にすがりつき、「これほどまでにあなたを愛し、全て捧げてあなた好みの女になった。それなのにどうして私を捨てるの」と泣き叫ぶ。
この女性は男がなぜ彼女の元を去ろうとするのかわからない。
だが、男は目の前の女性が本当に愛しているのは自分ではないと気づいたのである。
男がこの女性の押しつけがましさにうんざりして違うタイプの女性が現れたとき、この悲喜劇ドラマが始まる。
違うタイプの女性とは《男好みの女》ではない。また、男に貢ぎ、奉仕することで愛を得ようとする女性でもない。ただただ男を愛し、男から愛されていることを信じられる女性である。
結局、この捨てられやすい女性の愛とは、何をやってもどんなことが起ころうとも相手が愛してくれることを信じた愛ではない。
彼女の心の中にはやがて愛されなくなる、いつか捨てられるのではないかという不安と恐怖が隠されている。それは何をやっても、どんなことが起ころうとも、恋人が愛してくれると信じた愛ではない。
もしも男の愛が信じられるなら、《あなた好みの女》になる必要はない。高い買い物やプレゼントで男の心を引き留める必要もない。全てを捧げ、自分を犠牲にしなくても良いではないか。
なぜなら男につくさなくても、男は自分を愛してくれるのだから。
そして、男に捨てられる不安と恐怖があるからこそ、この女性は嫉妬深い。最後に捨てられたときの怒りと憎しみも、全てを捧げて愛したと思っているだけに、より強く、より深くなる。彼女は包丁を握るかもしれない。
それゆえ、このタイプの恋愛をしがちなのは受容者タイプに多い。
もっとも、他のタイプだって相手を愛するあまり、捨てられる不安と恐怖にとらわれると、全てを恋人に捧げる過ちに陥りがちである。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回ウクライナの国花がヒマワリと知ってソフィア・ローレン主演の映画『ひまわり』を思い出しました。17歳のころ見たとき、なぜ題名が「ひまわり」なのかわかりませんでした。最後の方でわかってショックを受けた記憶があります。あの舞台はウクライナとか。
未見の方はぜひご覧になってください。リーダーが決める戦争で犠牲になり不幸に陥るのはいつも市民・平民、子どもたちです。
ロシアでは反戦デモをやったら、懲役刑になることが決まりました。そろそろ独裁者周辺の公務員たちは彼に見切りをつけてほしいものです……。
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1 『狂短歌人生論――ほんとうは愛することより大切な』
2 『ケンジとマーヤのフラクタル時空』(前編)
3 『時空ストレイシープ』(同上後編)
そろそろ中断が近づいています。
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