何気ない言葉


○ なんとなくたまたまかけた言葉でもぴたりとはまる時がある



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ゆうさんごちゃ混ぜHP「狂歌教育人生論」        2004年 2月 8日 第2号

 (^_^)今週の狂短歌(^_^)

2 なんとなくたまたまかけた言葉でもぴたりとはまる時がある

 (^O^)ゆとりある人のための15分エッセー(^O^)  

何気ない言葉

 2月初めのちょっと寒いある日私は友人二人と北関東に出かけ、温泉と風土記の丘巡りを満喫した。とても楽しかった。
 その前日受信した二つのメールについてここに記しておきたい。

 一つは姪からのメールだった。私は以前から実家近くの兄宅に泊まったとき、兄が朝起き抜けにろれつが回らない喋り方をするので、かなり気になっていた。先日姪に送ったメールでその件に触れ、兄は脳梗塞(こうそく)の初期症状かもしれないから、検査してもらった方がいいと書いた。
 そうしたらとんでもないことがわかった。姪によると兄はただ単に唾を口の中に貯めていたから、起きる時そのようなろれつの回らない話し方になっていたそうだ。私はそのメールを読んで大笑いした(^O^)。
 兄に異常がないとわかってほっとすると同時に、ずっと気になっていたのに、一人で心配していた自分がおかしかった。
 その直前に姪が電話を寄こし、爆笑もののメールだよと言っていたが、正にその通りだった。

 そして、もう一通は最近の卒業生C君から来たメールだ。

 現在彼は高校卒業後二浪中の浪人生である。昨年8月末に部活動の同窓会をやったとき、私は彼のメールアドレスを聞いていた。9月になって私はC君に激励メールを送った。しかし、彼から返事は来なかった。
 読者も覚えがあるでしょうが、一度メールを出してもその返事が来ないと次がなかなか出しづらい。私も一浪経験者だったので、二浪生となったC君には勉強面や生活面でアドバイスしようと思っていた。しかし、メールは出しそびれていつかそのままになっていた。

 ところが、姪から電話があった日の夜、同じ部活動の卒業生だったCさん(彼女は専門学校を卒業後再び大学を目指していた)から、「大学に合格しました」と報告メールが届いた。私はもちろん「おめでとう」と返信メールを書いて送った。
 そのとき私はふいとC君に激励メールを出そうと決心した。彼もそろそろ試験が始まるはずだと思った。そして、それまでずっとメールを出す出さないでぐずぐずしていたのに、何かしら踏ん切りがついたような気がした。私は「いよいよ大学受験だね。人事を尽くして天命を待つのことわざ通り、ガンバ!」と書いてC君にメールを送信した。

 すると驚いたことに、メールを送ったちょうどその日が、彼にとっては今年一校目の受験日だったようだ。おそらく夜にでも私のメールを見たのだろう、すぐに次のような返信メールが来た。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 先生お元気ですか。メールありがとうございます。今日が一番最初の試験でした。M大学――学部――学科です。ハッキリ言って、むちゃくちゃビビってました。なんてったって今まで1回も大学受かってませんからね。ホント……怖かったです。でも、自己採点したらかなり良い出来だったんで(自己採点したのは得意の日本史だけだけど)。この一年間、悔しい思いをして浪人してきた甲斐があったのかな〜と思います。かなり自信がつきました。ボクのメインイベントは11日のR大と12日のG大なんで。
ホントにこの二校は受かりたい! あこがれの大学なんで。
 とにかく、『人事を尽くして天命を待て』ってやつですね。悔いを残さぬようがんばります!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 私は以前別の現役生徒から、「十数校大学を受けたのに、一つも合格しなくてショックだった」と聞いたことがある。C君もまた現役から二浪の今まで一度も合格通知を受け取っていなかったようだ。
 彼が怖くてびびったとの気持ち、よくわかる。不安にとらわれながらも、自己採点して安堵感があった。そのとき私の「人事を尽くして天命〜」の激励メールを見た。

 彼が私のメールを見て嬉しくなり、元気を奮(ふる)い立たせた様子が想像できた。その言葉は今の彼にとって最も必要な言葉だったのかもしれない。浪人生活2年を経て第1回目の受験日当日に、たまたま私の激励メールを受け取った。それによって「家族以外に自分を見守ってくれる人がいる」と感じたかもしれない。
 実は私の方はとても軽い気持ちのメール送信であり、軽い気持ちの言葉だった(^.^)。
 しかし、彼にとってはとても素晴らしいメールであり、必要な言葉だったのかもしれない。

 ここで私はちょっとした不思議を思った。と言うのは、1月の初めからずっと、私はC君へのメールをいつか出そう、そのうち出そうと思っていた。だが、ずるずると伸ばしてこの日まで来てしまった。
 しかし、もしかしたら私はもっとも効果的な日にメールを書き送ったのかもしれない。その前日C君と同じイニシャルのCさんから「合格した!」とメールがあったのと合わせて、面白い偶然だと思った。Cさんのメールは、ためらっていた私を後押ししてくれたかのように思えた。
 C君ぜひ受かってほしいもんだが。いや、彼のピュアなキャラクターだったら、きっと良い結果がやって来ると思う。


 ○ ぐずぐずとためらっているその時に偶然一つ後押しをする


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 (^.^)忙しい人のための1分エッセー(^.^)

 今の世の中、大人も子どもも自分のことだけで精一杯で、なかなか身近の人に声をかけることをしなくなっている感じです。Eメールもやり始めた頃はよく送受信をしていましたが、いつの間にかやり取りが減り、音信不通となっています。
 私が高校教員時代、部活動で教えていたC君は現役・一浪と1校も受からず浪人2年目を迎えました。私は彼のことがずっと気になっていながら、9月に一度メールを出しただけでそのままでした。翌年2月初めのある日、同じ部活動の卒業生だったCさんから、大学に合格したとのメールが届きました。そのとき私はC君に激励メールを出そうと思いました。「人事を尽くして天命を待て」のことわざ通りガンバってと書き送りました。
 すると、私がメールを送信したちょうどその日が、C君のこの年初めての大学受験日だったようです。彼はすぐ返信を寄越して不安と緊張を訴え、同時にがんばると記していました。私のメールが嬉しかったようでもありました。激励メールはジャストタイミングだったのかもしれません。その前日C君と同じイニシャルを持つCさんから「合格した!」とメールがあったのと合わせて、面白い偶然だと思いました。

(ところで、その後C君も第一志望校のG大に合格しました(^O^)

 ○ 何となくたまたまかけた言葉でもぴたりとはまる時がある
 ○ ぐずぐずとためらっているその時に偶然一つ後押しをする


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:上記は一昨年2月の出来事です。しかし、大学・高校と受験の季節でもあり、臨時に取り上げました。受験生をお持ちの親御さん、当の若者たち、お疲れさまです。「人事を尽くして……」は素晴らしい言葉ですが、人事を完璧(かんぺき)に尽くすなんて不可能でしょうね。「人事は尽くしとらんけど、天命を待つよりしょんなか」てな心境で開き直るしかないのかもしれません(^_^;)。読者の知人友人、親戚のお子さんに受験生がいて、その受験生のことが気にかかっているようでしたら、ちょっとした言葉をかけてはいかがでしょうか。何気ない言葉が当人にとってはとても嬉しい言葉であることって、受験生でなくてもありますよね。

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