手助けは気持ちがいい


○ 助けるも知らんぷりして行くも可 相手が喜びゃこちらも嬉し



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ゆうさんごちゃ混ぜHP「狂歌教育人生論」        2004年 5月19日 第16号

 (^_^)今週の狂短歌(^_^)

16 助けるも知らんぷりして行くも可 相手が喜びゃこちらも嬉し

(^O^)ゆとりある人のための5分エッセー(^O^)  

手助けは気持ちがいい

 先日出かける途中、駅近くで思いがけない出来事に遭遇した。いわゆる一つの善行をほどこしたのだ。相手はとても喜んでいたし、私も爽快だった(^o^)。
 最近の私は善行について少々変わった考え方をしている。それは善行を無償の行為と思わず、お返しを期待していることだ。もちろんこのお返しとは相手から返ってくることを期待するのではなく、どこか別のところで自分に良いことが起こるという意味だ。
 この日の外出先は競輪場だった。だから、その後電車に乗ってから、こりゃあ今日は競輪で大万シューゲットかなあ、とわくわくしつつ出かけた。しかし、結果はぼろ負け。世の中そうは問屋がおろしてくれない。それを悟った一日でもあった(^_^;)。

 駅近くで体験した思いがけない出来事とは、1台の車が狭い道に入り込んでいたので、私が運転してそこから脱出してあげたことだ。
 駅へ向かう近道は家と家の間にあってとても幅が狭い。道の左右はブロック塀が続いている。そのため車の通行はほとんど不可能であり、近くの人なら誰でもそのことを知っている。
 私がその道を駅へ向かっていたら、なんと軽自動車が狭い道をぎりぎりに進んで来る。運転しているのは五十代前後のおばさんドライバーだった。たぶん近所の人ではないだろう。

 私はこちらから大丈夫かなあと思いながら見ていた。すると、車は左が電信柱、右はブロック塀の所で早くも電柱にガツン。彼女は少しバックして切り返すと、また進んで来る。今度は右のブロックにゴツン。再びバックしたら後ろの塀でガリガリと車体をこする。車は道一杯を塞(ふさ)いでいるので、私も前へ進めない。
 私はもうそろそろあきらめるだろうと眺めていた。
 ところが、彼女はあきらめず、再度突入してブロックをガリガリこすりながら強引に進んで来る。私の背後も両側ブロック塀の道でもっと狭くなる。このままだと車は塀にこすられて滅茶苦茶になるだろう。
 私はあわててかけて行き「絶対無理だから引き返した方がいい」と言った。
 さすがに彼女も進入をあきらめバックし始めた。

 ところが、その場所からバックして広い道へ出るにはまだ7、8メートルはあり、その間も狭い道が続く。しかもゆるくカーブを描いたブロック塀にはさまれている。左右のスペースはせいぜい10センチほどである。
 その後は私が車の左右を見て、指示を出しながらそろそろとバックさせた。そのうち近くのおじいさんも現れて二人で指示を出す。だが、おばさんドライバーはなかなか指示通りに車を動かせない。
 とうとう彼女は私に運転してくれと頼む始末。私もバックは上手くないのでちょっと躊躇(ちゅうちょ)した。それでも彼女よりはましだろう、そう思って運転を交替した。
 それから前進とバックを繰り返し、通行人を通したり、違う男性が指図してくれたりと、10分近く悪戦苦闘。
 ようやく一度も塀にぶつけることなく、広い道へ出ることができた。

 おばさんドライバーは感激して盛んにありがとうを連発していた。私も困った人を助けてとても気持ちが良かった。どうしてこんな狭い道に入り込んだのか、わけを聞くと近くの知人を訪ねてきて、通れないと知らずに入り込んでしまったという。
 確かに今時いくら細い路地でも、車が通行できないような道は少ない。そこだって道の入り口は充分車が通れる広さがある。それが魚取りの罠のように、だんだん狭くなるのだからわからなかったようだ。冷静に見れば先へ進めないとわかったはずだが、たぶんパニック状態になったのだろう。

 私はそばをすり抜けて知らんぷりして行くこともできた。しかし、今の自分はそういう状況を見てただちに大丈夫ですかと声をかけることができる。そんな善行の偶然が自分に起こってくることが面白い。昔だったら声かけできなかったかもしれない。競輪大的中はなかったが、このお返しはどこか違うところでやって来るだろう。そんな気がした(^_^;)。


 ○ 助けるも知らんぷりして行くも可 相手が喜びゃこちらも嬉し

 ○ 善行のお返し期待しても良しただし返しは違うとこから


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:日本の女子バレーが韓国を破ってアテネオリンピック出場を決めました。素晴らしいと思い、うるうるしながらも、テレビ公開された練習風景では、監督が選手を怒鳴って強引に引っ張っていく昔ながらのやり方だったので、がっかりしました。これでなければ強くなれないのかなと、違和感を覚えたのは私だけでしょうか?
   もう一件、韓国対イタリア戦は驚嘆の試合でしたね。イタリアが2セット先取し、3セット目もあっさりマッチポイント。ところが、そこから韓国が逆転して3セット取り返し勝ってしまった。これも感動もので、人生最後まであきらめちゃいけないという典型のような試合でした。(御影)



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