アテネオリンピック その2


○ 最後まであせらずあわてずあきらめずその信念が夢をかなえる



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ゆうさんごちゃ混ぜHP「狂歌教育人生論」        2004年 9月11日 第27号

 (^_^)今週の狂短歌(^_^)

27 最後まであせらずあわてずあきらめずその信念が夢をかなえる 

(^O^)ゆとりある人のための5分エッセー(^O^)  

アテネオリンピック その2


 ☆ 最後まであきらめない

 柔道女子52キロ級銀メダルの横沢由貴選手。決勝戦には負けたが、準決勝がすごかった。金メダル本命候補キューバのサボン選手と戦ってポイントで負けていた。そのとき残り10秒ちょっと。その土壇場で、一本背負いのような袖釣り込み腰が見事に決まった。残り時間はわずか1秒だった(・o・)。
 最後の最後まであきらめちゃいけないんだ――の見本みたいな試合だった。
 キューバのサボン選手は48キロ級谷亮子選手のライバルで、世界選手権の常連だった。今回彼女は亮子選手に勝てないと思ったか、クラスを一つあげて出場した。横沢選手はその相手と闘っての一本勝ち――それも残り1秒での粘り勝ちは素晴らしいと思った。

 最後まであきらめないと言えば、競泳女子800メートル自由形で優勝した、柴田亜衣選手の怒濤(どとう)の追い込みもすごかった(^o^)。
 彼女は高校時代全くの無名で、3年時高校総体に出場するもビリだったそうだ。それでも彼女は卒業文集で「夢はオリンピック出場」と書いた。4年後彼女はその夢を果たす。なおかつ金まで獲ってしまうのだから、世の中はわからない。
 彼女はこの1年間でタイムを15秒も縮めたらしい。コーチから「身体が壊れるかもしれない。俺に命をあずけるか」と言われ、「命あずけます」と答えたそうだ。これもまたすごい。

 この800メートル自由形には、金メダル確実と言われたフランスのマナドゥ選手がいた。彼女は当然のようにトップを泳ぎ続けた。残り50メートルをターンしたとき、2位の柴田選手とは2、3メートルの差があったろうか。私も見ていてまあ銀か銅だろうなと思った。今までこうしたパターンで日本選手が外国選手を抜くなんて考えられなかったからだ。
 ところが、そこから柴田選手がぐいぐいと近づき、残り20メートルでマナドゥ選手を抜いたのである(・o・)。
 そのときアナウンサーが、「た、大変なことが起こりました!」と絶叫していたのがおかしい。
 彼女はコーチから「あせらず、あわてず、あきらめずに泳げ」と言われていたとのこと。終了後のコメントを聞くと、その通りあせらずあわてず、最後まであきらめずに泳いで金メダルを獲った。
 この「3つのあ―ず」はいろいろな所で使えそうだ(^_^)。


 ☆ 自分のために闘う?

 水泳男子平泳ぎ100と200で二冠となった北島康介選手は前評判通りの実力を発揮した。
 彼は100で1位となったときプールで雄叫びをあげ、水面を何度もたたいた。インタビューに答えて「気持ちいー、チョー気持ちいー」と叫んだ。その笑顔と快哉(かいさい)が心に残った。
 同じような言葉は柔道男子100キロ超級で優勝した鈴木桂治選手からも聞かれた。彼も見事な一本勝ちの連続だった。こちらは「日本のみなさんに一言」と言われたとき、笑顔で「イェーィ、勝ちました」とのたもうた。
 多くの女子優勝者が涙顔で「応援してくれたみなさんのおかげです(ウルウルT_T)」と答えていたのに対し、この二人からは「みんなを代表しているが、まずは自分のために勝つんだ」という意識が感じ取れた(^.^)。
 これまでオリンピックの日本人出場者は「日本国民の期待」を背負ってか、プレッシャーで悲愴感ただよう雰囲気の人が多かった。なんだかプレッシャーに押しつぶされている感じでもあった。それが次第にプレッシャーと緊張感を友達にして、試合を楽しめる人たちが増えているようだ。良い傾向だと思う。


 ☆ ラッキー?

 トーナメント形式での戦いは最後に――決勝戦で勝つか負けるかが大きいようだ。すでに銀メダルの2位が確定している。しかし、最後の戦いで負ける。だから、銀であっても喜べないのだろう。
 その気持ちはよくわかるけれど、全力を尽くして闘うことが大切なんであって、その結果は必ずしも実力通りとは限らない。時の運てこともあるだろう。
 たとえば、女子柔道78キロ超級で優勝した塚田真希選手。彼女の場合は棚ぼた優勝だと言ったら言い過ぎだろうか(^.^)。

 そのクラスには世界選手権チャンピオンの中国孫福明ことソウおばさんがいる。彼女はでっかいのにスピードがある。切れ味鋭い技の持ち主で、文句なく金メダル候補だった。塚田選手はこれまで一度もソウ選手に勝ったことがなく、今回もソウ選手だけを想定して猛練習していたという。
 ところが、そのソウ選手が準決勝でキューバのベルトラン選手に一本負けした。ここでひとつ目のラッキー(だった?)。
 そして決勝戦では、そのベルトラン選手から倒され技ありを奪われた。さらに、そのまま押さえ込まれて「やばい!」と思った瞬間、くるくるくるりと回転して逆に相手を押さえ込んだ(・o・)。
 結果、逆転の一本勝ちで優勝したのである。

 これまたラッキーであり、棚ぼたのように見えた。対戦相手にしてみれば、技ありのあと押さえ込んだときには、「勝った!」と思っただろう。それがあれよあれよの一本負けである。
 日本メディアは「よくやった」の賛辞一本だったが、向こう側から考えれば、最後の最後で大魚を逃したわけで、技ありを取って油断したと批判されても仕方ないところだ。
 よく言われることに、車による事故は遠くに出かけているときよりも、帰路自宅近くで起こるそうだ。そこで安心してふっと気が抜けるからだという。ベルトラン選手にとっては事故のような敗戦だったかもしれない。

 だが、前々号で述べたようにつきも実力の内。実力があるからこそラッキーがやってくる。倒され技ありを奪われ、押さえ込まれても決してあきらめなかった。その強い気持ちがあったからこそ、逆転の押さえ込みが成功したのだろう。
 あのラッキーも彼女が呼び込んだと考えれば、堂々の金メダルであることは間違いない(^o^)。


 ○ 最後まであせらずあわてずあきらめずその信念が夢をかなえる


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:アテネオリンピック特集第2弾です。(御影祐)



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