○ 衆院選、悲観的になるこたぁない、民意は結構良識派
ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」 2005年 9月 30日(金)第62号
(^_^)今週の狂短歌(^_^)
○ 衆院選、悲観的になるこたぁない、民意は結構良識派
☆ 小選挙区制の見かけ
前号で、郵政民営化の民意は、賛成が51%に過ぎないとまとめました。
するとある人から「小選挙区は逆転していたよ」と連絡がありました。
確かに調べてみたら、小選挙区の与党(自民+公明)の得票率合計は約49%で、野党その他が51%でした。うっかりしていました(^.^)。
それでも、与党が3分の2超の議席を得て「郵政民営化は国民大多数の支持を得た」などと鼻高々なんだから、驚いてしまいますね。
さて、どちらにせよ、心ある野党支持者は「国民は自公に3分の2もの議席を与えた。アホで愚かな国民だ」と思い悲観的・絶望的になった方もいらっしゃると思います。
そこで、今号では比例代表の得票率から、議席数のマジックについても考えてみたいと思います。ここにも小選挙区制度(+比例代表)が持つ、民意の反映度が現れています。
私は思います。国民はアホではない、だまされてもいなかったと。
比例代表の得票率のみで、各党が何人議席を獲得したかを、次に見てみます。(各党議席数は選挙翌日の集約)
[今回の比例代表得票率と政党別獲得議席数]
政党名=得票率=議席数
自民党= 38.2=296
民主党= 31.0=113
公明党= 13.3= 31
共産党= 7.3= 9
社民党= 5.5= 7
国民新= 1.7= 4
日 本= 2.4= 1
大 地= 0.6= 1
(無所属…… = 18)
単 位 %= 人
この結果与党(自民+公明)は327、野党無所属合計は153となったわけです。
しかし、この比例代表の得票率から、480議席全て比例の、完全比例代表制度と仮定して、議員数を算出してみましょう。そうすると、各党の議席数は以下のようになります(ただし、自民と公明は「小選挙区は自民、比例は公明に」などとバーター取引のような戦術をとっていたので、厳密な政党支持率とは言い難いと思います。試みに自民党得票率に4%プラスし、公明党から4%マイナスしてみました。また、無所属は考慮しませんでした)。
[修正得票率(自民+4%、公明−4%)と、完全比例代表制の場合の政党別獲得議席数]
(議席数のあとの[ ]内は+が生き票、−が死に票)
政党名得票率=議席数
自民党 42.18=202[+94]
民主党 31.02=149[+36]
公明党 9.25= 44[−13]
共産党 7.25= 35[−24]
社民党 5.49= 26[−19]
国民新 1.74= 8[ −4]
日 本 2.42= 12[−11]
大 地 0.64= 3[ −2]
単 位 %= 人 [生き死に票]
これが政党得票率から算出される正しい民意であり、正しい党派別獲得議席数です(^.^)。投票した3分の2の有権者は、国会に各党これだけの議席を与えたのです。
大政党にいかに「生き票(?)」が多く、小政党に死に票が多いことか。
自民党はプラス94議席も上乗せされ、民主党も上乗せ政党でした。
逆に小党の共産党など24人分の票が死に票、社民党も19人が討ち死にです。
新党日本も比例代表なら、12人の議員が新しく誕生してもおかしくなかったのです。北海道の地域政党大地でさえ、3人が当選したはずです。
この完全比例代表制度なら、私たちが政党を支持した思いが、そのまま議席数として現れます。投票のしがいがあるってもんですね(^o^)。
しかし、共産党以下小党の現実は次の通り。
共産党=9
社民党=7
国民新=4
日 本=1
大 地=1
小選挙区300、比例代表180という選挙制度がいかに民意を反映していない選挙制度であるか、よーくわかります。しかも、比例代表は全国一律ではなく、ブロック別にしたため、さらにここでも死に票が生まれているはずです。
この民意を正確に反映した議席数なら、
与党(自民+公明)が247[51%]議席
野党側合計は…………233[49%]議席というわけです。
前号で述べたように、郵政民営化を国民投票にかけたなら、51対49の僅差で賛成が多かった……ということになります。
そして、与党側がちょっと多いこの議席数も、今の日本国民の大ざっぱな意識を正確に反映しているのではないでしょうか。
取りあえず自公与党に政権を任せたいが、突出したことはしてほしくない。最近中国、北朝鮮、韓国とのもろもろにおいて、きな臭い動きや妙な流れがわき出している。くれぐれも戦争になどならず、平和で安定した日本、そして他国との穏やかな関係が築けるように……とでもいうような願いであり、祈りでしょうか。
与党3分の2議席は決して民意ではない。それは選挙制度がもたらした砂上の楼閣に過ぎず、国民をバカにするにはあたらないと思います(^o^)。
私は選挙制度は民意を正確に反映する比例代表制度であるべきだと思います。
しかし、当面この選挙制度が続くようなら、野党関係者・支持者はそれに合わせた選挙態勢を組むべきでしょうね。51%(あるいは小選挙区なら49%)の得票率で、3分の2の議席が取れるということは、反対に野党側だってあと数%の得票率上乗せで、大逆転の可能性があるわけですから。
たとえば、共産党や社民党は、もはや小選挙区に候補者を立てず、自公のように民主党とバーター取引をするとか――の戦術です。今回バーター取引はなくとも、共産・社民が候補者を立てない小選挙区があり、そこでは与党対野党はぎりぎりの接戦となっていました。
実のところ与野党は拮抗(きっこう)していた。ところが、与党は一枚岩となり、野党はばらんばらんだった。これが続く限り、与党は盤石、やりたい放題なんでしょうね(^.^)。
○ 衆院選、悲観的になるこたぁない、民意は結構良識派
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
後記:その後実家愛読の西日本新聞を読んでいたら、数年前カナダで、それまで過半数の150議席ほどを取っていた与党が、次の総選挙でわずか数議席のミニ政党になったことがある――とのコラムを読みました。それも小選挙区制度のむちゃくちゃぶりでしょうね(^.^)。(御影祐)
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