「 日帰り温泉旅の偶然」


○ 日帰りの小さな旅もまか不思議 たまたま出会う悩みの答え



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ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」              2008年 3月 14日(金)第96号


 ようやくあたたかくなってまいりました。いかがお過ごしでしょうか(^_^)。
 梅の花見のシーズンですが、東京で梅と言えば「青梅(おうめ)の梅林」が最も有名です。

 そこで先日友人A氏と日帰りで青梅と山梨の「旭(あさひ)温泉」(こちらはあわあわ炭酸温泉で有名)に出かけました。本日はそのお話しです。日帰り旅としては珍しく《妙な偶然》がありました(^.^)。

 初めにもう一つ伏線を。山梨県韮崎(にらさき)市の北方に「増富(ますとみ)温泉」というのがあります。源泉に微量のラジウム放射能が含まれており、がんこな病気にきくと評判の温泉です。私とA氏は昨年そこも訪ねたことがあります。
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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 日帰りの小さな旅もまか不思議 たまたま出会う悩みの答え

 (^O^) ゆとりある人のための10分エッセー (^O^)


 【 日帰り温泉旅の偶然 】


 私はこれまでこのメルマガやホームページに、自分自身の旅や偶然の出会いで、悩みの答えを得たり、問題解決のヒントを得る体験を書いてきました。
 私は結構面白いと思っているのですが、このような体験談を記すと、しばしば「宗教的だ」と言われることもありました。

 しかし、私は別に神仏を信仰しているわけではなく、何かを信じたおかげでそのような偶然が起こったなどというつもりも毛頭ありません。
 ただ、このような見方・考え方・感じ方は、感動薄きこの人生(^.^)に《感動と喜び》を与えてくれる――そう思って紹介しているだけです。

 そもそも人は物心ついてから、十代、二十代までは感動をもって人生を送ることができます。
 たとえば、友人との出会いや別れ。初めての恋に失恋に得恋。いろいろな事件に遭遇して失敗しては落ち込み、うまくいったときは「やった(^o^)!」と喜ぶ。そのつど喜怒哀楽の感情を味わいます。
 苦労も含めて全てを《感動》と呼ぶなら、ある年齢までは生まれて初めての感動が次から次にやってきます

 しかし、三十歳を過ぎたあたりから、だんだん人生で感動することが少なくなったような気がします。結婚して子どもが生まれれば、わが子の成長を自分の感動として生きることができるでしょう。しかし、子どもも成長してしまうと、ますます感動の機会が少なくなるようです。
 毎日は同じような仕事や生活の繰り返しであり、自然の移り変わりも感動の対象とはならない。あっという間に一年が経つというのも、新鮮な感動が少ないからではないかと思います。

 しかもいくつになっても苦労の種は尽きない。家族問題に頭を悩ませ、人間関係に苦しみ、さらに年を重ねるにつれ、健康上の悩みは増えるばかり……(--;)。

 そのような停滞した(^.^)人生で、一体どうやって《感動》をつかめばいいのでしょう

 私は偶然の出会いや出来事からその《感動》がつかめると思うのです。
 そうした感動に出会うと、私は次のようにつぶやきます。
 「これだから人生は楽しい。やめらんない」と(^_^)。

 さて、上記狂短歌に記した、日帰りの旅で得た「悩みの答え」とは私のことではありません。
 友人A氏の悩みのことです。

 彼とは初めて教員になったころからの付き合いで、数年前定年退職しました。
 最近六十代半ばとなったA氏は「歩けなくなった」悩みをうち明けることが多くなりました。

 この日も青梅(おうめ)に行く車中で、A氏は彼自身の不安や悩みを語りました。
 中でも深刻なのが「最近歩けなくなった」との悩みです。
 趣味のテニスをやってもみなについていけない。ひどく疲れる。散歩にも出なくなり「何より歩かなくなったし、歩けなくなった」と述懐していました。

 しかもこれから年を重ねるにつれ、足腰はますます弱くなる。ひどいと病気や骨折で寝たきりになる可能性だって高い。だから《積極的に歩かねばならない》ことはよくわかっている
 しかし、それは理屈です。感情がそれを認めていないから、歩くと痛いとかきつい、つらいと思って歩けないのです。そうして不安はますます募る……そのような悩みを吐露していました。

 私はそれに対して通りいっぺんの答えしかできませんでした。
 私自身はゴルフをやっており、一日数キロ歩くことは苦ではないからです。A氏より十いくつ若いこともあって、私にはそのような不安がなく、当たりさわりのないアドバイスしかできないのです。

 ところが、この「日帰り梅見温泉の旅」で、彼の悩みに対する答えに遭遇しました。
 たまたま出会った「猛烈徒歩おじさん」。彼はA氏にとって手本としたいような人物であり、彼の悩みの答えでもありました。

 これだから人生は愉快で面白いのです(^o^)。たまたま出会った人から、悩みの答えを得られるのですから。

 以下は「旭温泉、行ってきました」と題して別の友人にこの件を知らせたメールです。

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 今日A氏と日帰りで旭温泉へ行ってきました(^_^)。
 旭温泉だけでは時間が余るので、その前に「青梅で梅見でも」と思ってそちらに寄ったのですが、これが大失敗でした。

 町田近辺では梅がかなり咲いているので、「まー五分咲きくらいはあるだろう」と思って出かけました。ところが、これが二、三分どころか一分咲き(^.^)。それも一千数百本ある梅の木の中の数本だけ……(--;)。
 ということはほとんどみーんな蕾でした。つまり、梅見じゃなくつぼ見(^.^)。
 どうやら二十日頃が見頃だそうです。

 もっとネットで調べていくべきでした。でも、客は結構多かったです。
 まーでも、(小さくても)旅に出かければ、そうしたことはあるので、私は別に気になりませんでした(^.^)。

 ところが、A氏は昨年二月末に奥さんと青梅に行き、そのときもつぼ見に終わったとかで、二連続の不如意となったようです。
 彼は出かける前その不安を口にしていたのですが、それが当たりました。
 私はそのとき「じゃあやめましょうか」と言ったのですが、彼は「まー行ってみよう」と答えたので、どちらも仕方ないなと思ったところです。

 その後中央高速で韮崎(にらさき)に行き、飯食って旭温泉へ。
 炭酸温泉と言うだけあって、確かにあわぶくぶくの源泉かけ流し温泉でした。

 A氏はイマイチ無感動の体でしたが、私も大分で炭酸系温泉を知っているので、まーこんなもんかなと(^_^)さほどの感動はなし。
 やはり内湯一つだけというのが物足りない。あれで露天とか水風呂があれば最高なのですが。
 それでもあまり熱くないので、1時間はたっぷり入りました。いい汗かきました。

 ところで、ここでちょっとした驚きの御仁と出会いました
 私らが入って源泉が出る湯口近くにいると、10リットル用のポリタンクを手に近づいてくる男性がいらっしゃいました。
 年の頃はA氏と同じくらい。
 彼がタンクに源泉を入れているので、A氏が「ここの水は効きますか」と聞きました。
 すると、「いや。私もここは初めてなので、どうなのか……」との返事。
 私が「どちらから?」と聞けば「東京からです」。
 おやまー「私たちもです」と言葉を交わすようになりました(^_^)。

 そうしたら、驚いたことに、彼は前夜増富(ますとみ)温泉に泊まっていたというのです。
 おやまー「私たちも去年行きましたよ」としばし増富談義(^_^)。

 さらに彼が言うには「増富温泉の源泉をこれに入れてきたのですが、ここの炭酸水がおいしいと聞いて……」
 増富の湯を捨てて旭温泉のを入れるため、わざわざ「ここに来た」というのです。
 しかも「車ではない」と聞いたから、私もA氏も「ええっ(・o・)!」と目が点に。

 彼は東京から電車で韮崎まで来るとバスで増富温泉に行き、一泊して今日韮崎へ戻り、そしてバスに乗って再び旭温泉まで来たのです。
 その間コロ付きのバッグにその10リッターポリタンクを入れ、ごろごろ転がしながら歩いてた――ちゅうわけです。私もA氏も驚きました。

 もっと聞けば「昨年胃ガンで切腹しました」とのこと。
 お腹も私たちに見せてくれました。昨年手術したにしては、かなり傷跡が小さくなっていました。
 そして退院後はいろいろ温泉を渡り歩き、水を求めているというのです。
 大分県日田の天領水も飲んでおり、先日は別府鉄輪(かんなわ)温泉に行ったとか。
 おやまー。そこで私は九重(ここのえ)町の壁湯温泉や寒の地獄冷泉を宣伝しときました(^_^)。
 炭酸水なら、飯田高原の「お池」というところに、サイダー並みの冷泉がわき出しており、ご飯やコーヒーに使うととてもおいしいという話もしました。

 彼は別に悲愴感もなく、淡々と自分のことを語り、顔つきも精気があってとても元気そうでした。
 それでも、車を使わず歩きで温泉巡りをしている――そのエネルギーは「一体どこから来るんだろう」などと考え、
帰りの車中でA氏と「あれは生への執着ですかね?」などと語ったところです(^_^)。

 最近「寒いところには行きたくない」とか「歩けなくなった」と、とみに弱々しい発言が増えた(^.^)、かの人にはいい刺激になったのではないでしょうか。

 これだから(小さくとも)旅に出るのは楽しいのです。
 思わぬ出会いと感激があるから。
 彼と出会ったことで、蕾梅見の不如意など吹っ飛んじゃいました(^_^)。
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 私はこの日起こった猛烈おじさんとの偶然の出会いに、当初あまり感激しませんでした。
 しかし、友人に送ったメールの最後に「A氏にはいい刺激になったでしょう」と書いたところで、
そうか。あのおじさんとたまたま出会ったことは、歩けなくなった悩みを抱えるA氏にとって、悩みの答えだったのか」と気づいたのです。どうやら私はその現場に立ち会っただけ――と言えそうです。

 それにしても、小さくとも、やっぱり外に出かけることでこんな偶然の出会いと遭遇する。
 ほんとに旅は面白いです(^_^)。


 ○ 日帰りの小さな旅もまか不思議 たまたま出会う悩みの答え


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:3月に入って早々面白い出来事に出会ったので、月末を待たずにメルマガを発行できました(^.^)。実はこの「偶然の出会い」にはもっと深くて面白い内容が含まれています。その見方について次号で紹介したいと思います。
 それまでにちょっと考えてみてほしいことがあります。たとえば、ミスや不運などでいやなことが二度三度と続いたとき、あなたはそれをどのようにとらえますか。感情を爆発させて自分を責め、人を責めるか。あるいはじっと我慢するか(^.^)。不運を呪い嘆き、仕方ないさとあきらめるか……などなど振り返ってみてください。(御影祐)




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