「日帰り温泉旅の偶然 補足」


○ 友人と一泊の旅出かけたら またまた出会う強歩おじさん



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ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」        2008年 5月 30日(金)第98号


 前二回のメルマガで、友人A氏との日帰り温泉旅のことをとりあげました。
 もちろん書き上げたときは、あれで終えるつもりでした。
 その後A氏と今度は一泊温泉旅に出かけました。そこでまたちょっと面白い出会いがありました。
 若干しつこい感じがするのですが、ほんとに起こったことなので紹介したいと思います(^_^)。
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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 友人と一泊の旅出かけたら またまた出会う強歩おじさん(^.^)


 (^O^) ゆとりある人のための10分エッセー (^O^)


 【 強歩おじさんと会う 】

 最近歩けなくなった悩みを抱えているA氏。
 私は「日帰り温泉旅」の出来事や、いやなことが起こっても最後にはいいことが起こる――その見方や考え方をメルマガにして公表した。もちろん原稿は前もってA氏に読んでもらい了解をとっていた。
 A氏も「ポリタンクおじさん」と出会ったことなど結構感激していたし、メルマガの内容も「大切な見方ですね」と語っていた。

 そのA氏と4月末、今度は一泊温泉に出かけることにした。
 行き先は私が選んだ。ちょうど長野は桜が満開の時期である。前回梅の花見がつぼ見に終わったことだし、桜を見に行こうと思った。
 インターネットには全国桜の名所と何分咲きかを教えてくれるサイトがある。そのサイトを調べて諏訪(すわ)湖近くの水月公園、群馬県小諸(こもろ)の懐古園で花見を楽しみ、布引(ぬのびき)観音にお参りして布引観音温泉に泊まる計画を立てた。

 以下はその日のことを別の友人に書き送ったメールである。
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 昨日から一泊でA氏と小諸の「布引温泉」に泊まりました。
 昨日は諏訪の水月公園で落花満開の桜に見とれ、そのまま小諸の懐古園へ。
 これまた花吹雪満開の桜を満喫しました(^_^)。

 そして、布引観音温泉近くの丘の上にある布引観音にお参りして(山道が結構きつく30分の登山でひいこら言って(^.^)宿へ。
 温泉は源泉かけ流しですが、露天はありません。やや熱めのお湯ですが水風呂はグッド。
 A氏と「熱っちーね」「熱いねー」と言っていたら、地元のじいさんが「熱いけれども云々」と、言葉を交わすようになりました。
 そうしたら、このじいさんがまた驚きの御仁なのです。

 前回の旭温泉では「歩けなくなった悩みを抱える」A氏が、悩みの答えとなるようなポリタンクおじさんと遭遇しました。今回たまたま出会ったじいさんは「猛烈強歩おじさん」でした(^.^)。

 そのお方70歳だそうですが、なんと山梨の韮崎(にらさき)から長野の佐久まで、18時間かけて歩く「80キロ強歩大会」に参加しているというのです。
 そんな大会があるとはつゆ知りませんでした。聞けば小学生からお年寄りまで、おしなべて80キロを歩くのだと。
「80キロはすごいですね!」と私もA氏も感嘆したことです。
 いやいや驚きました。これだから人生は不可思議にして愉快です(^_^)。
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 この日はA氏の車で出かけた。私の車はナビがあるけれど、A氏は付けていない。
 だから、関東の地図を持ち、インターネットで水月公園や懐古園、布引観音温泉などの拡大地図を出力して持参した。
 ところが、面白いのは前回日帰りの旅では、ナビがあるのに全く役に立たず(厳密に言うと不適切な指示を出したからだが)、今回はナビのないA氏の車に乗りながら、一度も道に迷うことなく全て順調に予定を消化したことだ。

 その結果夕方五時前には温泉に浸かり、あの猛烈強歩おじさんと出会ったのである。
 ピンポイント理論で言うなら、あの時間、あのおじさんと出会うためには道に迷っている余裕はなかったことになる(^_^)。
 前回は二度も道に迷うロスがあったおかげ(?)で、ポリタンクおじさんと出会った。
 今度は道に迷わなかったから強歩おじさんと出会った。不思議な成り行きだなと思った。
 妙な言い方だが、悪いことの後にいいことがあったけれど、いいことの後にもいいことがあったのだ(^.^)。

 この日のことをもう少し詳しく述べてみたい。

 車は最初A氏が運転して中央高速で私が替わった。
 諏訪湖近くのインターを降りたのはちょうど正午ころ。そば屋で昼食を摂ったあと水月公園に向かった。このときはそば屋の店員に道を聞いたので、迷わず公園に到着した。

 水月公園は丘の上にあり、吹きつける風の中で満開の桜が舞っていた(^o^)。
 丘の上から見下ろすと、ピンクの桜の背景に諏訪湖が望める。春と言うより初夏の陽光でとてもさわやかだった。
 最初は客がいないなーと思ったけれど、上に行くとちらほら花見客があった。
 私たちはデジカメで満開の桜と諏訪湖をぱちぱち撮りまくった(^_^)。

 それから142号線を佐久へ向かった。約一時間後《左懐古園》の標識を見つけて左折した。
 ところが、そこから先ずっと一本道ながら、道がどんどん細くなる。それに次の標識が現れない。
 ナビもないし、道が違うのではないかと不安に思い始めた頃、道路工事で一旦停止させられた。
 そこで助手席のA氏に「懐古園への道はこれでいいのか」手旗を持つ人に聞いてもらった。
 返事は「このまま進んで道なりに左へ曲がって行けばいい」との答えだった。
 これも前回と違ってすぐに聞いたから面白い。まるでもう道に迷うなと言わんばかりだ。

 それから十数分後懐古園に到着した。懐古園は小諸城の城跡にある。
 ここは島崎藤村「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ」の古城として有名なところだ。

 公園はこれまた桜が満開。風が結構吹いており、正に花吹雪。
 特に石垣の上から眺める桜の群生はピンクの花じゅうたんのようで圧巻だった(^o^)。
 ここは著名だからか、平日なのに観光バスが何台も止まり、花見客も多かった。
 私とA氏はここでもデジカメを撮りまくった。A氏は携帯でも撮影して奥さんに送信した(^_^)。

 その後A氏の運転に替わって宿へ向かった。約二十分ほどでこれも迷わず宿に到着した。
 時計を見ると三時半。時間があるので、入館前に近くの布引(ぬのびき)観音にお参りすることにした。
 インターネットでは約十五分で登れるとあったけれど、私たちは三十分ほどかけた。歩きづらいA氏に遠慮してかなりゆっくり登った。山腹の途中に寺があり、断崖の途中に張り出したお堂もあった。お堂の中は浅い洞窟で石仏があった。

 下山して宿に着いたのが四時半頃。宿の温泉は共同浴場も兼ねている。
 ホームページを見たときから、料金は安いけれど民宿みたいだなと思った通りの宿であった。
 そしてすぐ風呂に行き、猛烈強歩おじさんと出会ったのである。

 これもちょっと面白いきっかけが始まりだった。
 温泉は源泉かけ流しで温度は「48度」とあった。浴室内はやや大きめの内湯と水風呂があるだけ。
 そのとき浴場内には数人の客がいた。おそらく地元の人だろう。
 私とA氏は浴槽に浸かるやいなや、「熱いね」「熱いですね〜」と声をかけ合った。

 そのとき近くの人がちらっとこちらを見る気配を感じた。それでも私たちは「熱い、熱い」と声を出した。
 その直後身体を洗い終わって入ってきたじいさんが「熱いけれども、身体にはいい」と私に言ったのだ。
 彼は引き締まった身体で、昔はハンサムだったろうと思われる目鼻立ちだった。
 彼の言葉はちょっととがめるような調子を含んでいた。

 私たちは「熱いね」の言葉を単に事実として言っただけだが、聞く人にとってそれは批判と思われ、もっと言えば悪口と見なされることもある。
 私はそれを感じ取ったので、もっと話をしようと「こちらの方ですか」と尋ねた。
 彼は「そうだ」と応じた。そしてすぐ「韮崎から佐久まで八十キロの強歩大会に出ている」と驚きの内容を話し始めたのだった。
 私は「来た、来た。またもA氏の悩みの答えがやって来たぞ」と内心驚きと嬉しさでわくわくした(^_^)。

 猛烈強歩おじさんは淡々と大会の様子を語る。私はいろいろ質問をして何度も感嘆の声を上げた。
 彼によると全体で九百名の応募があり、六百名が歩く。そのうち五百名ほどが完走(完歩?)する。
 午後九時に歩き始め、徹夜して翌日午後三時までに佐久へ着く。小学生から老人まで全く差なく全員同じ距離を歩くこと等々……。
 私は汗だくになりながら、彼の話を聞いた。
 隣のA氏も当然何度も感嘆の声を上げた。私は「すごいですね」を連発した(^_^)。

 帰宅後インターネットで調べてみたら、いくつか間違いもあった。距離は78八キロだった。まーこれは切り上げて80キロと言えるだろう。
 参加資格は中学生以上とあった。おじさんはたぶん親と一緒に小学生くらいの子どもも歩いているのを目撃したのではないだろうか。

 それにしても、私もA氏もそのような強歩大会が群馬で行われているとは全く知らなかった。それだけに大いに驚き感心した。出発地点が旭温泉のある韮崎というのも印象に残った。歩けない悩みを抱えるA氏にまたも一つの答えが示されたのだ。
 前回は二度も道に迷って悩みの答えとなる猛烈ポリタンクおじさんと遭遇し、今回は全く道に迷うことなく強歩おじさんと出会った。なんとも不思議な流れだと思った。

 このメルマガ開始のころ「分かれ道」と題した文章を書いたことがある。分かれ道で右へ行っても左へ進んでも、いやなことがあっても最後は良いことが起こる――との趣旨で(^.^)。
 今回長野の花見一泊の旅ではいやな事件は全く起こらなかった。それでもA氏に悩みの答えとなる出会いが起こる。「必要なときには必要な答えがやってくる」例でもあるな、と思ったことだ(^_^)。


 ○ 友人と一泊の旅出かけたら またまた出会う強歩おじさん(^.^)


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:中国四川省で大地震がありました。死者、被災者などものすごい被害をもたらしたようです。亡くなった方々の冥福を祈りたいと思います。
 悲しいのは小中の校舎が押しつぶされ多くの児童が犠牲になったことです。核兵器を持ち、高度成長で年率10パーセントを超える軍事費の伸びを続ける国が、低い耐震基準の校舎をそのままにしていた。これで中国のリーダーが変わってくれればいいのですが。(御影祐)




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