○ けなげにも巨人に向かう乙女たち 夢を叶えたなでしこジャパン
ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」 2011年 7月 19日(火)第 136号
暑中お見舞い申し上げます。m(_ _)m
猛暑酷暑の夏に続いて大型台風が近づいております。
お体、体調、豪雨や強風にはくれぐれもご用心下さい。
今号の話題はもちろん「サッカーワールドカップ、なでしこジャパン優勝」です(^o^)。
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(^_^)本日の狂短歌(^_^)
○ けなげにも巨人に向かう乙女たち 夢を叶えたなでしこジャパン
祝(^_^)! (^o^)祝!! 祝(^O^)!!!
なでしこジャパン、ワールドカップ優勝!!!
いやいや、やりましたねえ。女子サッカーワールドカップ(^_^)。
平均身長160の手弱女(たおやめ)なでしこが、10センチから20センチも背の高い欧米巨人女性に果敢に戦いを挑み、とうとう決勝にも勝って世界一となりました。金メダルと優勝カップがなでしこ娘たちの胸に燦然と輝いていました。
最高の結末です。おめでとうございます。
これを快挙と言わずしてなんと言いましょうか(^o^)。
これをメルマガで取り上げずしてなんのメルマガをや(^.^)……というわけで「夢を叶えたなでしこジャパン」と題して急きょ執筆、配信することにいたしました(^_^)。
まずはサッカーをそれほど知らない人のために、女子ワールドカップとなでしこジャパンの戦いぶりを時系列で書いておきます。
基本情報として知っておきたいことは開催地がドイツであったこと、そして予選リーグは、ABCD4グループに各地域代表16チームが参加してリーグ戦で行われたことです。
4グループのうち上位2チームが決勝トーナメントに進出。トーナメントですから、負けたらそこで終わりの一発勝負です。
まずは[予選リーグ]3試合の結果――
対ニュージーランド=○2対1
対メ キ シ コ =○4対0
対イング ランド =●0対2
日本は2勝1敗、予選リーグ2位で決勝トーナメントに進出しました。
決勝トーナメントに進出した8チームを、世界ランク順に並べると以下の通りです。
1位 アメリカ
2位 ドイツ
3位 ブラジル
4位 日 本
5位 スウェーデン
7位 フランス
10位 イングランド
11位 オーストラリア
この中ではアメリカが2大会ぶり3度目の世界一がかかる強豪であり、ドイツは地元開催、しかもワールドカップ2連覇中の実力国。対して日本はワールドカップに6連続出場して世界ランク4位と高そうです。
しかし、過去5回のうち4回はあっさり予選リーグ敗退で、最高成績もベスト8止まり。オリンピックでも過去最高4位で、いまだメダルを獲ったことがありません。これまで跳ね返された、高くて強靱な壁がアメリカとドイツとブラジルだったのです。
つまり、世界ランク3位までとそれ以下には相当の開きがあるということです。なでしこは欧米女子と体格差が著しく、とても優勝候補とは言えない――が下馬評でした。
そして[決勝トーナメント]――
準々決勝 対ド イ ツ =○延長1対0
準 決勝 対スウェーデン=○3対1
決 勝 対アメ リカ =○2対2−PK3対1
近年の戦いぶりからして予選リーグは突破すると思いました。
しかし、予選で最後にイングランドに破れた結果、決勝トーナメントはまず地元ドイツが相手となりました。ドイツの世界ランクは2位で、現在ワールドカップ2連覇中。対して日本女子はやっと二度目の決勝トーナメント進出チームです。
サッカーでホームかアウェーかは天地ほども差があり、私は正直負けるだろうと思いました(^.^)。
ところが、0対0で突入した延長戦で値千金のゴール。横綱ドイツを相手にまさかと言っていい金星ゲット。そして準決勝スウェーデンを逆転の3対1で下すと、決勝はいよいよ世界ランク1位の強豪アメリカ戦です。アメリカはブラジル、フランスを破っての決勝進出でした。
実はわたし決勝トーナメントの3試合、全てテレビ観戦しませんでした(^_^;)。
早朝だったことが理由ではなく、ドイツ戦は「まー負けるだろう」と思い、スウェーデン戦は見るつもりだったのになぜかタイマーが鳴らずにほぞを噛み、決勝戦は「日本対アメリカは24戦0勝3分けでこれまで一度も勝っていない。賭け率10対1で負けるだろうし、見たら泣けちゃいそうで……」見ませんでした。負けて銀メダルでも充分……と思って寝に付きました。
18日の朝結果を知って驚きました。そしてテレビで繰り返された試合の詳報を見てやっぱり涙ぐんでしまいました。
けなげでしたねえ、なでしこジャパン。まるで巨人のような体格差のアメリカ女性に対して小さな日本人女性たちが果敢に戦っていました。圧倒的に押されていた感じです。
アメリカのシュートが際どいところで枠に当たったり、海堀ゴールキーパーがスーパーセーブで守っていました。懸命に耐えに耐えている感じでもありました。
後半24分1点を取られたのに、35分に同点に追いついて延長戦突入。
そして延長前半14分、アメリカのエース、ワンバック選手が得点。またもリードを許し、もはやこれまでかと思われた後半終了間際、日本のキャプテン澤選手が同点ゴールを上げました。
世界ランク1位のアメリカが2度もリードしながら、日本が2度とも追いついた。あそこまで行くと、勝利の女神は日本チームに味方していたのでしょうか。
ペナルティキック戦はキーパー海堀選手の超人的セーブもあってアメリカは3連続失敗。最後に日本熊谷選手が決めてペナルティーキック3対1でワールドカップ初優勝を成し遂げたのです(^o^)。
あの試合を見て(優勝の結果を知って)、誰もが思い出すことは東日本大震災のことでしょう。
日本チームは決勝トーナメントが始まる前、ロッカーロームで震災から立ち直りつつある被災地の様子をテレビで見たそうです。佐々木監督は「苦しくなったら、被災地の人たちのことを思いだせ」と言ったとか。
多くの選手が「日本に勇気と元気を与えたい」と言いました。彼女らがリードされながら、最後まであきらめなかったのは、この強い思いがあったからかなと思います。
話は飛びますが、目下私は『空海マオの青春伝』最後の追い込みに入っています(^_^)。
空海が最終的に到達した境地は《自利と利他(じりとりた)》です。それは自分のために生きて活動し、人のために生きて活動する。二つを合体させて夢をかなえるという考え方、生き方です。
よく勝ち負けがかかった試合はハングリー精神が必要だと言います。しかし、「裕福になった最近の日本人はハングリー精神が消えてしまった」などと耳にします。
今回なでしこジャパンが決勝トーナメント3試合を勝ち抜いた理由は、ハングリー精神ではないと思います。ハングリー精神とは自利だけでしょう。自分が勝つために、自分の夢を叶えるために戦って勝とうとするのです。
もちろんなでしこジャパンが今回勝てたのもまずは自分のため、ワールドカップで世界一になる夢を叶えるために戦った、自利だと思います。
しかし、それは同時に日本人のため、被災地で苦しむ人たちのため、復興に励む人たちのため、元気をなくした日本全体のため……という気持ちがあったと思います。
米国のゴールキーパー、ホープ選手は「わたしたちは偉大なチームに敗れた」とコメントし、「何か大きな力が日本を味方していたと感じた」と語っています。一人の力以上の大きな力を対戦国に感じさせた。それこそ、なでしこジャパンが自分だけのためでなく、被災した日本人のために戦った思いから生み出された力だったのではないでしょうか。
よく代表チームや個人が「日本のため」と言いますが、今回ほどその思いが強かったときはなかったのではないかと思います。
その気持ちがあったからこそ、彼女たちは最後の最後まであきらめなかった。驚異的な粘りで追いついた。そうしてサッカー世界一となる夢を叶えた。ほんとに素晴らしい。自利と利他が合体した結果かなと思います(^_^)。
それからドイツ戦から気づいたのですが(一次リーグからやっていたかもしれません)、なでしこジャパンは試合が終わると横断幕を掲げて観客にメッセージを送っていました。
そこには英語で「トゥ・アワー・フレンズ・アラウンド・ザ・ワールド、サンキュー・フォー・ユア・サポート」と書かれていました。
訳せば「世界中の友人たちへ、あなたがたのサポートに感謝します」でしょうか。もちろんサポートとは東日本大震災で世界中から義援の手が差し伸べられたことを意味していると思います。これも素晴らしい「ありがとう」の言葉です。
私はこの中の「トゥ・アワー・フレンズ・アラウンド・ザ・ワールド」に妙に感動しました。「世界中の人たち」ではなく「世界の友人たち」であること。初めから世界の友人たちと言い切ること。東日本大震災があったからこそ、世界中の人はみんな友達と言えるのかなと思いました。
今年東日本大震災後、世界クラスの大会で日本が優勝した例がもう一つあります。
日本では一部競馬ファンしか感激しませんでしたが(^_^;)、4月にドバイワールドカップで日本馬のヴィクトワールピサが優勝しています。こちらも競馬ワールドカップでは日本馬の初優勝でした。
私は「がんばる」と言う言葉はあまり好きではありませんが、自利と利他の精神で、自分のためにがんばり、人のためにがんばるのは実力以上の力を発揮させるのかもしれません。
なでしこジャパンのワールドカップ優勝は、何よりくじけそうな人々に、あるいは、あきらめかけた人たちに、「最後まであきらめない」というメッセージを送ってくれました。彼女らの勇気と元気と素晴らしさに感謝です(^_^)。
ありがとう! 監督、スタッフ、なでしこジャパンの娘さんたち!
○ 自利と利他 自分のためと人のため 夢を叶えたなでしこジャパン
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
後記:前号がちと人を暗くさせる内容だっただけに、今回とても明るい話題を書けることに感謝したい気持ちです(^_^)。とある中国人の感想に「ドイツ戦では、たいしたものだと思った。スウェーデン戦では、ひれふす気持ちになった。米国戦では感動した」とあったそうで、ぴったりですね。
さて来月は夏休みとして休刊いたします。9月涼しくなったら、またお目にかかりましょう。その頃には『空海伝』を完成させたいものです。(御影祐)
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