「2024総選挙、本来の議席数」


○ 総選挙 自民負けたと言うけれど 得票率ならいつも惨敗(^.^)


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ゆうさんごちゃまぜHP「狂歌教育人生論」        2024年11月13日(水)第 272号


 2024年衆議院・総選挙が10月27日に終わりました。
 衆議院465名を選ぶ「小選挙区比例代表並立制」は小選挙区289(62%)、比例代表176(38%)。過半数は233。改選前自公の与党は288議席でした。

 結果は与党[(自民191(−65)・公明24(−8)]が改選前の議席を73減らして計215議席。
 かたや野党は立憲、国民民主などが議席を増やして計250議席。

 自民党の思わぬ(想定内の?)惨敗で「政権交替が実現した…」と書きたいところですが、どうやら野党全党か多数の連立による政権交替はなく、また(予想された?)国民民主か維新の与党参入もなく「自公による少数与党」体制となりそうな雲行きです。

 私は選挙のたびに「比例代表の各党得票率に基づく《本来の議席数》」を算出しています。
 日本の党派支持と民意は見かけの議席数ではなく、得票率に表れていると思うからです。
 それが間違いなく本来の民意でしょう。

 毎回ほぼ同じ結果が出ます。自民党は政党支持率(=選挙の得票率)では30数%の支持しかないけれど、それでも小選挙区で1位となるので議席を獲得する。結果、本来なら3分の1の議席であっても不思議ないのに、自民単独で過半数、プラス公明の与党で安定多数を獲得する……。

 ところが、今回自民の得票率においてかなりの異変がありました。
 比例代表の自民得票率は26.7%。いつもより10%近く減らしたのです。
「だから65議席も減らしたのか」とつぶやきそうです。結果は自民191議席。

 確かにかなり減らしたように見えます。しかし、自民党の得票率をそのまま議席に反映させるともっと少ないことがわかりました。自民124議席です。
「どーいうこと?」とつぶやいて本文をお読みください。
 いつもの悪癖(^_^;)、長くなったので見出しをつけました。

 == 目  次 ==

 [1] 2024総選挙、本来なら自民党は《ど惨敗》だった?
 [2] 2024総選挙、各党の獲得議席と本来の議席数
 [6] オール比例代表への道



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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 総選挙 自民負けたと言うけれど 得票率ならいつも惨敗(^.^)

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【 2024総選挙、本来の議席数 】

[1] 2024総選挙、本来なら自民党は《ど惨敗》だった?

 2024年衆議院総選挙はマスコミによって「与党の自公が過半数を割る」との事前予想がありました。
 選挙本番は「アナウンス効果」と言って予想の反動と言うか反対結果が出ることも多く、私は「そうは言いつつ、ふたを開けたらいつもの与党過半数ではないか」と素人予想を立てていました。

 改選数465に対して改選前は与党288、野党177。今回与党は215(−73)、野党250(+77)、裏金問題が影響したからか、自民・公明の与党惨敗、野党が過半数(233)を超えました。
 これを評してマスコミ・コメンテーター各氏は「与党惨敗」と総括しています。

 ところで、一読法で読んでいれば、この表題「ど惨敗」って「どーいうこと?」とつぶいたかもしれません。
 本稿の予告コメントで以下のように書きました。
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 私は選挙後いつも「比例代表得票率に基づく各党議席数」を算出しています。それが本来の民意であり、正しい議席数だからです。
 たとえば、前回2021年の総選挙では本来なら与党(219)野党(246)でした。
 今回の与野党議席数はこの数字にとても近い。では今回は本来の議席数が結果に現れたのか?
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 最後の問いに対して「その通り」と答えそうです。
 ところが、各党議席数と本来配分されるべき議席数を比べてみると、自民党の191議席は「それでも多すぎる。本来なら124議席」となります。ゆえに「自民ど惨敗」とまとめるわけです。

 まずは各党得票率(比例代表)に基づく本来の与野党議席数を比べると以下の通り。

公示前党 派議席数得票率本来数増減
288人与 党 215 38% 219−4
177人野 党 250 62% 246 +4
 注…「得票率」は比例代表の得票率、増減は本来数との差

 先ほど書いたように今回の獲得議席数は「本来の議席数」にとても近い。
 簡単に言うと、与党4割、野党6割の得票率がほぼそのまま議席数に現れた――ように見えます。

 これを前回(2021年総選挙)と比較すると、
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[2021年総選挙与野党獲得議席数・得票率・本来の議席数]

公示前党 派議席数得票率本来数増減
305人与 党 293 47% 219+74
155人野 党 172 53% 246 −74
 注…「得票率」は比例代表の得票率
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 [ここでちょっと情けないウラ話。私はこの表を見比べて「今回の獲得議席数は本来の議席数にとても近い」とまとめました。
 しかし、本稿執筆中に「あれっ前回の『本来数』と今回が同じだ!」とつぶやきました。得票率が違うのだから本来数が同じなんてありえません]

 そこで再計算した今回の結果が以下。
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[2024年総選挙与野党獲得議席数・得票率・本来の議席数]

公示前党 派議席数得票率本来数増減
288人与 党 215 38% 177+38
177人野 党 250 62% 288 −38
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 つまり、与党は改選数288に対して獲得議席215(−73)と大きく減らしたように見えます。が、本来の議席数は177。215議席はまだ38も多い。
 これを逆に言うと、6割の得票率があった野党は絶対安定多数の288議席を得てもよかった
 この議席なら確実に政権交替となったでしょう。

 前回与党の得票率は47%、野党は53%であり、本来なら与党219、野党246の議席となって与野党は逆転していました(オール比例代表なら)。
 しかし、前回は自民261、公明32議席によって与党トータル293の安定多数となりました。

 この得票率にもっと差がついて与党4割、野党6割となっても、まだ与党にプラスの議席が与えられる。これが日本の選挙制度の実態です。
 しかも、今回公明党は議席を減らしています。よって制度のうまみを享受したのは自民党(野党側では立憲民主)だけなのです。

 以下各党別の獲得議席数と得票率による本来の議席数を見ると個別の事情がよくわかります。
 そして、それこそ「本来なら自民はど惨敗」と言う理由です。

 [ここで一読法の復習もう一つ。目次を見て「あれっ、[2]のあとなんで[6]なんだ?」とつぶやきましたか?(^_^) 気づかなかった人は→目次に戻る]


[2] 2024総選挙、各党の獲得議席と本来の議席数

 以下の表は比例代表の得票率から各党「本来の議席」と実際の「獲得議席」、そして「増減」を算出しています。自民党は得票率26.7であり、本来なら124議席となります。
 普段3割半ばの得票率がある自民党は今回27%まで減らしました。
 この自民得票率27%から算出される数が124であり、獲得した191議席はまだ67も多すぎるのです。

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【 2024年総選挙、比例代表得票率に基づく正しい議席配分 】

政 党 名議席数得票 率本来数増 減
自由民主党 191 26.7124+67
公 明 党 24 10.9 51−27
立憲民主党 148 21.2 99+49
日本 維新 38  9.4 43− 5
国民民主党 28 11.3 53−25
れいわ新選  9  7.0 32−23
日本共産党  8  6.2 29−21
参 政 党  3  3.4 16−13
日本保守党  3  2.1 10− 7
社会民主党  1  1.7  8− 7
無 所 属 12  ---- ----  ---
総   計 465  ---     
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 最初に確認しておきたいことは衆議院の定数は465(過半数233)です。
 ということは本来政党支持率=得票率が10%なら、46.5の議席を獲得するし、得票率1%でも4.6人――つまり4から5の議席を獲得できるはずです。

 ところが、表をみればわかるように、中小政党は軒並み本来獲得できるはずの議席を得ることができません。4倍増の28議席と浮かれている国民民主だって本当は53議席となっていい。公明党、れいわ、共産は20超も議席が少ないのです。
 昔ながらの主張を繰り返す社民党だって本当は8議席分の支持を得ている。なのに、1人しか当選しない。

 与党自民党の得票率は26.7%であり、この得票率から算出される本来の議席数は124。それが67も多く議席を獲得する。過去も本来なら200議席程度なのに、+100の300議席を獲得したことがあります。
 すなわち自民党の獲得議席は「常に多すぎる」のです。

 理由はもちろん各選挙区で1位になれば議席を得る小選挙区制度にあります。
 たとえば、小選挙区にAB二人が立候補した。結果Aは3万票、Bは2万9999票。
 1票差であってもAが当選してBは落選する。それが小選挙区。

 しかし、それじゃあ「かわいそうだ、ひどすぎる」と言うのでしょうか。比例代表に重複立候補を許したので、Bも(惜敗率が高ければ)比例で復活当選を果たす。今回小選挙区3位であっても比例復活当選したところがあります。「なにそれ?」

 なんのこたぁない。AもBも「議員さん」。「Aを落としたい、Bを落としたい」と思って投票したのに、AもBも「議員さん」。一体誰が投票に行こうと思うでしょう

 今回与党惨敗の結果を見て「いつもは棄権する浮動層が野党に投票した。だから与党惨敗となった」かに見えます。ところが、投票率は53.9%。前回より2%減っている
 大胆にまとめるなら、浮動層はやはり選挙に行かなかった。各党の岩盤支持層が投票し、与党惨敗はその中で起こった――と言えるかもしれません。

 今回自民党の小選挙区得票率は38.5%。対して比例代表の得票率は26.7%。10近く少ない。
 前回自民党の小選挙区得票率は48.1%、比例代表34.6%。4年前と比較してやはり10近く票を減らしている。

 こちらも大胆にまとめると、要するに自民党岩盤支持層が裏金問題、政党助成金など全く反省が見られず、変えようともしない自民党に「お灸を据えた」と言えそうです。
 さすがに選挙終盤共産党の『赤旗』がすっぱ抜いた「非公認議員にも活動費2000万」は最後のとどめを刺したのでしょう。

 しかし(繰り返すけれど)、小選挙区によって与党自民党に常に本来より多くの議席が与えられるのに対して「補完するはず」の比例代表(176)も単純ではありません

 全国をブロックに分けたので、ここでも得票率どおりの議席は得られない。単純に計算しても比例代表の得票率2%なら3人の議席があっていい。けれども、辛うじて1議席。
 もしも465オール比例代表なら、1%の得票率で4人から5人の議員を国会に送り出せる(はず)。だが、得票率1%では一人も議員にならない

 「たった1%だろ」と言うなかれ。投票者5000万人のうちの50万人、有権者1億人に拡大すると100万人です。もしも100万人が東京でデモを行ったら、政権が転覆するほどの数です。

 これが世界に誇る民主主義国日本の実態です。小政党の存在を認めない制度。イギリスもアメリカも天下の民主主義国家が採用する二大政党制・小選挙区制度とはマイノリティーの意見を採用しない、「小政党は国会に来るな」という制度。それで「独裁国家はいかん」と言うのだから、おへそが茶を沸かす……と言っては言い過ぎでしょう(^_^;)。

 かつてイギリス宰相チャーチルが言いました。
「民主主義は問題の多い最悪の政治形態だ」と。「だが、これまであった全ての統治形態よりはましだ」と(表現はちょっと違うかも)。
 過去の政治形態――王様が支配する国、教祖が支配する宗教国家、領主による封建制度、上中下のカースト・身分制度、他国に侵略して支配する帝国主義、なにより独裁国家。
 日本近くの独裁的大国、弾道ミサイル・核兵器製造に腐心する小国家の様子を見れば、まだ不充分、不満足な選挙制度であっても、民主主義国家日本の方がましと思います。

 今回有権者1億388万749人に対して投票率は過去3番目に低い53.85%でした。
 最近過去の衆院選投票率を見て11回前は73%の投票率があったと知りました。平成2年のことです。それまでの総選挙は平均しても7割前後、最高投票率77%。平成以後は平均6割、最高平成21年の69.8%。今回を入れる過去4回は5割強と低迷。
 昔の人は政治意識が高く、近年の人は低い?
 いやいや、投票に行かないのは民意を正確に反映しない小選挙区のせいであり、なのに小選挙区で二人当選者が出る――つまらない選挙制度のせいだと思います。

 そして、岩盤支持層の中で投票が行われている限り、支持率において常に1位となる自民党に有利な、逆に中小政党に不利な選挙制度であることは間違いありません。

 私は2021年の総選挙後(『狂短歌ジンセー論』の中で)この選挙制度について以下のように書きました。

 これをスポーツで例えるなら、陸上100メートルで1人だけ10メートル先にスタートラインがある。サッカーなら1チームだけ5点のハンデが与えられている。
 結果、100メートル9秒00で1着になって金メダル獲得、サッカーで連戦連勝して「優勝した」と言っているようなもの――と。
 もう一つはチームや個人の決勝戦で戦って一方が金メダルを獲得した。その後「負けた方だってがんばったから両者金メダルにします」と同じことですと。


[6] オール比例代表への道

 さて、目次[2]のあとに[6]とあるのは私のミスでも誤字でもありません。
 そこには[3][4][5]が入ります。
 それは2021年総選挙後に公開した『狂短歌ジンセー論』第180号「2021総選挙、本来の議席数」の中にあります。
 見出しは以下の通り。
 [3] 制度のうまみ・恩恵を最大限に受ける自民党
 [4] 選挙に行きたいと思わせない制度
 [5] いっそみんなで……

 本文と重なる部分もありますが、ぜひお読みください。
 [5]の結論はもちろん「小選挙区制度廃絶」ですが、末尾に以下のように書いています。
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 さらに極論ながら、私はこんなことも考えます。
 もしも世の大人たちが「この選挙制度は良くない」と思うなら、いっそみんなで棄権しませんか。
 選挙に国民全員がそっぽを向く。だれ一人として投票する人がなく、当選者が出ない。
 そんなパラレルワールドになれば、さすがに国会議員だって「この選挙制度を変えるしかない」と感じてくれるような気がします(^_^;)。

 ○ 総選挙 投票したって変わらない ならばみんなで棄権してみる?
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 ところが、今回ひょんなことから現行選挙制度において与野党逆転が起こりました。
 私は野党が候補者を一本に絞らない限り、この逆転は起こらないとあきらめていました。
 が、現行制度でも逆転が起こった。

 さすがに自民公明も反省して政治資金改革に取り組みそうです。とりわけ詐欺まがいの「企業団体献金が廃止されれば」(なぜ詐欺まがいかと言えば、それを廃止する条件で税金から政党助成金を出すと約束したから)これほど良いことはないので、ぜひ実行してほしいと思います。

 自民党は自党に有利な小選挙区制を変えようとは思わないでしょう。
 もしも野党が小選挙区比例代表という多くの野党にとって不利な制度を改める気持ちがあるなら、絶好の機会がやってきました。

 というのは、もしかしたら選挙制度を比例重視にする最後のチャンスかもしれません。
 自民党の小選挙区支持率は2021年48.1%から今回38.5%に減りました。ただ、今回自民非公認となった裏金議員はここに入らないし、自民より保守的な参政党3.4%、日本保守党も2.1%の支持を得て計6人が当選しています。
 分散した保守票が自民に戻れば、小選挙区の得票率はすぐに40%から50%に復活するでしょう。

 対して立憲民主党は99議席を148議席に増やしたけれど、得票率は比例20.0→21.2、小選挙区28.0→29.0とわずかな増。実際の得票数も比例1449万→1575万、小選挙区こそ1574万→1722万と増えているけれど、これはおそらく自民嫌悪票か無党派層からの流入でしょう。
 これはかなり国民民主党にも流れており、立憲単独で過半数に達することはできませんでした。来年の参院選、次回の衆院選で立憲並びに他の野党が過半数になるかどうか。むしろ難しいかもしれません。

 一気に小選挙区をやめて比例代表だけとするのはさすがに難しいと思います。
 が、465の議席に対して小選挙区(289)、比例代表(176)の比率を変えることはできる。
 たとえば、逆転して比例代表(289)、小選挙区(176)とか、(そもそも国会議員が多すぎるとも言われているので)総数400として比例代表(300)、小選挙区(100)とも。

 さらにそもそも論を言うと、国会議員は地域代表ではありません。憲法には「全国民を代表する」と書かれています。自分の選挙区の地域的要望・陳情を受け、地域の行事に参加し、支援者の弔問に明け暮れる毎日では国全体のことを考える余裕などないでしょう。まずは「ぜひ比例代表を増やしてほしい」と思います。

 ○ 逆転の今こそチャンス到来 比例代表増やすべき


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:米大リーグ、ドジャース対ヤンキースのワールドシリーズ、日本のホークス対横浜ベイスターズの日本シリーズが終わりました。結果は前者が4勝1敗でドジャースの勝ち。後者はホークス3連勝の後ベイスターズの4連勝という信じがたい結末に。
 横浜はセリーグ3位から2位、1位を負かす下剋上、日本シリーズ14連勝の強豪相手に土俵際からまたも下剋上。
 勝ちチームを応援された方おめでとうございます。

 私はもちろん大谷君のいるドジャース勝利を予想したけれど、4勝3敗と見たので外れ。後者は予想せず。そもそもセリーグ覇者が負けた時点で「なにそれ?」でしたから(^.^)。

 もう一つアメリカ大統領選。花札元大統領が勝ちました。これも私は予想外れ。
 今後世界はどうなるのか。日本は「防衛でもっと金出せ」と言われそう。
 ただ、アメリカの人にとって同氏の勝利で暴動や内戦の恐れはなくなったでしょう。
 民主党政権が選挙不正は行わなかった証明にもなります。
 映画「シビルウォー」を見ました。アメリカ東部(政府軍)対西部(独立派)の悲惨な殺し合い。
「あんな状態になってはたまらない。ここは駄々っ子に政権取らせよう」との意識が働いたのかもしれません。


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