カンボジア・アンコールワット遠景

 一読法を学べ 第 1号

理論編 前置き「本稿を書くに至ったわけ」




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『 御影祐の小論 、一読法を学べ――学校では国語の力がつかない 』 第 1号

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           原則月3回 配信 2019年 3月 8日(金)


 『空海マオの青春』論文編別稿の連載開始について(「前置き」の前置き)

 突然ですが、『空海マオの青春』論文編後半に進む前に、別稿『一読法を学べ――学校では国語の力がつかない』を本日より配信いたします。
 実はこの構想は高校教員在職中からありました。これまで執筆に至りませんでしたが、最近一気に書き上げました。

 きっかけは昨(2018)年公表された「国立情報学研究所」のある調査報告です。前年中高生を中心として約2万数千人に実施された「リーディングスキルテスト」の結果が報告されており、私もその一端をネットで知りました。
 それによるとリーディングスキル――すなわち読む力(読解力)の弱い子どもが4割もいると報告されていました。

 その状況は国語教師在職中から私が抱いていた思いと重なります。端的に言うと、長編小説が読めない、長編どころか普通の小説や論文などを読む力が不足している。他教科の先生方も「生徒は問題文そのものが理解できていない」としばしば言っていました。その言葉には「国語科は何やってんだ」の思いも含まれていたようです。

 そして、この傾向は大人になっても続いている。昨今流行のツイッターなど、短文隆盛の世の中で、長い文章を読む力はどんどん衰えているようです。
 私なんぞ、世の潮流と逆行する化石的長文作成者と言えるでしょう。小説も空海論もだいたい長くてうんざりされているようです(^_^;)。

 さらに、リーディングスキルテストの検証結果を読み、「ではなぜ子どもの読解力不足が起こったのか」という原因究明において同報告は物足りなさを感じました。「日本語の文構造を小学校から習得させる必要がある」などと書かれていたからです。

 いやいや、もっと根本的な原因がある。私は日本人の読解力の弱さは国語の授業、学校の授業に原因があると考えています。それは教師在職中から感じていたことです。
 これらのことから、まず『長編小説の読み方』と題して論文を書き始めました。それは徐々に内容が変わり、やがて『一読法を学べ――学校では国語の力がつかない』に進化しました。
 一読法とは文章読書術の一つで、私は在職中その授業をやったことがあります。その経験を踏まえての論考です。

 本稿は『空海論文編』を完成させたら、配信しようと思っていました。
 しかし、論文編前半を終えた今、ちょうどいい機会かもしれないと思って配信することにいたします。ほぼ執筆を終えているので、毎月3回の連載として配信いたします。
 今号は「前置き」と目次です。なお、本文にいつもの顔文字は登場しません。
 入れたいところもあったのですが、我慢しました(^_^)。


 本号の難読漢字
・一読法(いちどくほう)・三読法(さんどくほう)・通読(つうどく)・精読(せいどく)・味読(みどく)・一朝一夕(いっちょういっせき)
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************************ 小論「一読法を学べ」*********************************

 『 一読法を学べ――学校では国語の力がつかない 』理論編

 前置き――本稿を書くにいたったわけ

 本稿は当初『長編小説の読み方』と題して「文章を一度読んだだけで八〇パーセント理解できる読み方=一読法」の読書指南書として書き始めました。

 私が執筆した空海の青春時代を描いた小説『空海マオの青春』は原稿用紙一千枚の長編です。歴史的背景や仏教理論もかなり書き込んだ結果、長くなってしまいました。
 短くできなかった作者の責任はもちろんあるけれど、長編を読めない読者のために本稿を書こうと決めました。
 しかし、書き進めるうちに、むしろ「現代日本人の国語力の弱さ――読む力・聞く力・話す力・書く力の弱さ」について、もっと触れるべきだと考えるようになりました。

 総じて言えば、文章をさあっと読んだり、人の話をぼんやり聞いている人が増えている
 五歳の女の子から「ぼーっと生きてんじゃねえよ」と叱られかねないほどに。
 一体その原因はどこにあるのか。それを指摘し、《根本的な解決策として『一読法』を学ぶべきだ》と主張することに方針を変えました。

 たとえば、みなさん方は常々次のような疑問や感想をお持ちではないでしょうか。

 ・新聞・雑誌・小説など文章を読み解く国語力が弱い。
 ・人の話を聞き取る力が弱い。感想を求められても「いいよ」としか言えない。
 ・人に話すことが苦手。ディベート(討論)をしても自説をうまく主張できず、水掛け論になって中身が深まらない。

 あるいは、あなたが児童、生徒、学生なら、
 ・授業が面白くないので集中できない。いやいややっている。
 ・どの科目も基礎問題はできるけれど応用問題が苦手だ。
 ・親や先生の話をぼんやり聞いていることが多い。

 ……等々の悩み、感想を持たれているのではないでしょうか。
 もっとも、親や先生の話をぼんやり聞くことは悩みではないかもしれません。

 こうした問題の根本原因を、私は学校の国語授業にあると考えています。さらに国語に基づく他教科の授業も被害を拡大していると。
 具体的に言うと、国語の授業が世の実態にあった読み方を教えていない。そして、他教科は国語と同じ方法――つまりその読み方の授業を行っている。だから、国語力がつかないし、他教科の文章を読み解く力も身につかない。
 さらに、この読み方に基づく講義型の授業は面白くない。講義型の授業とは先生が内容を解説し、先生が発問し、児童生徒はそれに答える。児童生徒が自ら疑問を持って教科書を読んだり、探究することがない。
 講義型授業は知的好奇心を刺激しません。だから、面白くないし、自ら考える力もなかなか身につきません。

 人の話の聞き方も同じです。国語の授業では聞き方を教えていません。聞き方を学んでいないから、子ども時代も大人になっても、人の話をしっかり聞くことができない。だから、うまく話すこともできません。
 なぜ国語の授業で聞き方を教えていないのか。そのわけは「三読法」という読み方にあります。通読・精読・味読と言って基本的に「文章を三度読もう」という読み方です。
 この読書術は聞き方を教えることができません。また、社会に出た後ほとんど役に立たない読書術です(ここで「なぜ? そんなばかな」とつぶやいた方はぜひ本稿をお読み下さい)。

 もしも読者が「自分はどうして国語の力が弱いのだろう」と悩んでいるなら、それはあなたのせいではありません。失礼な言い方ながら、同じやり方で文章の読み方を教えてきた国語の先生のせいであり、三読法が最高最上の読み方だとして、教師を指導した文科省の方々、大学の先生、それをほったらかしにした政治家のせいです。
 実はその中に元高校国語教師であった私自身も含まれています。よって、本書は国語教育関係者に対する告発の書でもあります。

 しかし、原因を他人に求めても事態を改善できません。環境が変わるのを待っていても一朝一夕には変わりません。まずは自力で、自学自習によって、実戦的な《真の国語力》を身につける必要があります。
 もしもあなたが小・中・高校生なら、本書で示す「真の読解力が身につく読書術=一読法による読み方・話の聞き方」を学んでください。
 本書を読み終えて一読法を実践すれば、国語力・他教科の読解力、考える力が必ず身につくと思います。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:本稿を読んでいる途中、あるいは全て読み終えたとき、
「どうしてこれを空海小説編の前に配信しなかったのか」と疑問とも不満とも言える感想を持たれるかもしれません。
 書き終えた私もそう思います(^_^;)。しかし、機が熟する必要があった……と言い訳の言葉を記すことでご容赦下さい。

 思うに、皆様多忙ゆえ本稿も「一度だけさあっと読む」方が多いことでしょう。
 しかし、各号をぜひ二度読んでください。できたら三度(^.^)。
 一読法を学んだことがない人は「さあっと一度読む」、一回の読みでは30パーセントの読解しかできません。そのわけは追々知ることになると思います。(御影 祐)

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「一読法を学べ」  第 2 号へ (3月18日発行)

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