【第6回】 狂短歌
☆ 室戸崎太平洋を見下ろせる室戸三山海辺の聖地
表題 室戸三山 [画像9枚]
四国東岸、夫婦岩の「鹿岡鼻(ししおかはな)」から海岸線を軽快にドライブして一時間後、室戸岬に到着した。
まずはでっかい空海青年の像が迎えてくれる。その手前に今夜宿泊するAホテルがあった。
☆ 室戸岬空海青年の大像
室戸岬周辺の札所としては、24番最御崎(ほつみさき)寺、25番津照(しんしょう)寺、そして26番金剛頂(こんごうちょう)寺――の室戸三山がある。空海が修行した洞窟――みくろど窟は地図によると最御崎寺の手前にある。
私はまず岬の先端をぐるりと回って西側から見学しようと思い、ホテル前で26番札所金剛頂寺にナビを設定した。再出発してすぐ右手山側に、空海が修行した二つの洞窟を発見した。
おお洞窟はホテルのすぐ近くではないか。これなら深夜歩いてたやすく洞窟まで行ける――私はラッキーと思った(^o^)。
双子洞窟は車窓から眺めただけだが、すぐにぴんと来るものがあった。それは断崖を背後に二つの洞窟がぽっかり穴を空けていた。入り口にはなぜか鳥居がある。周辺のむき出しとなった岩場は高さ数十メートル、険しいがどっしりと力感ある岩場だった。私は見た瞬間「磐座(いわくら)」じゃないか(・o・)とつぶやいた。
☆ 双子洞窟左手の磐座(いわくら)
舎心(しゃしん)が嶽山頂の岩場同様、みくろど窟周辺も思った以上に迫力ある美しい場所だった。
私はやっぱりそうかと思った。双子洞窟もまた磐座(いわくら)としての聖地だったに違いないと。
そのとき私はあっと叫んだ。昨日鶴林(かくりん)寺を出て山を下ってくるとき、大きな鳥居があり、そこに「神光本宮磐座(いわくら)」とあったのを思い出したのだ。
私は思わず笑みをこぼした。すでに答えがもたらされていたのだ。空海が修行した南の舎心が嶽は磐座(いわくら)であり、ここ室戸の双子洞窟も明らかに磐座である。
空海はなぜ数ある山の中、太龍が嶽で求聞持法(ぐもんじほう)の修行をしたのか、なぜわざわざ室戸岬までやって来たのか。
その答えはそこが東の空を見渡せる磐座(いわくら)であり、聖地であったからに違いない。
私はその答えを求めて四国までやって来た。そして、すでにこの旅の最初の段階で、「磐座(いわくら)」の答えを得ていたのだった。そうだったのか、と思って私はもううれしくて愉快でたまらなくなった(^O^)。
あのときは無駄な寄り道と思って鶴林寺を参拝した。しかし、それは決して無駄なことではなかったのだ。
その後室戸岬先端を越え西側へ出た。こちら側は家も多く港もいくつかある。もっとひなびた漁師町を想像していただけに、予想以上に開けた所だと思った。
そして車で約20分、26番札所金剛頂寺へ到着した。寺までの道はせまく、一車線の登り道だった。その途中で自転車遍路を見かけた。さすがに歩いていた。
☆ 金剛頂寺本堂
☆ 金剛頂寺厄坂
☆ 津照(しんしょう)寺
それから津照寺(しんしょうじ)を出て室戸岬まで戻り、くねくね道を登って最御崎(ほつみさき)寺に到着した。石段を登って数分、寺に着く。
境内には歩き遍路の若者が一人休憩していた。室戸灯台は寺の先にあるようだ。
☆ 最御崎(ほつみさき)寺山門
☆ お迎え大師像
☆ 最御崎(ほつみさき)寺本堂
参拝後私は室戸灯台を見に行った。山門を出て石段を少し下ると白い灯台の頭が見えた。灯台はそれほど高くない。しかも、その場所からは樹木が茂って見晴らしがあまり良くない。それでも見下ろせば太平洋が目一杯広がっていた。
ここに来て室戸三山はみな太平洋を眺める高さにあることがよくわかった。
☆ 室戸岬灯台
午後三時過ぎ一足早くホテルへ入った。双子洞窟をじっくり探索してその後海岸沿いを散歩しようと思った(^o^)。(続)
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