阿南海岸夫婦岩

  四国明星の旅



明星の旅11 「徳島最後の明星」


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【第11回】   狂短歌


☆ 思いがけずネオンの狭間に見いだした 明星それはかすかな光



 明星の旅11 「徳島最後の明星」


 徳島最後の明星 [画像9枚]

 室戸岬に別れを告げ、私は車を運転して徳島へと引き返した。今日は十九番札所立江(たつえ)寺を経由して徳島へ戻るつもりだった。
 その途中夫婦岩の所で降りた。室戸へ来るとき二つの巨岩に気が付き、帰りはぜひ立ち寄ろうと思った所だ。夫婦岩は注連縄(しめなわ)の張られた二つの巨岩がなかなかの景観である。私はもっといい場所から写真を撮ろうと道を下った。すると右側の海岸沿いに東屋(あずまや)があり、そこに一人の歩き遍路らしい人が休息していた。もちろん男性で若者だった。

☆ 阿南海岸夫婦岩
阿南海岸夫婦岩

 私はここで彼と30分ほど言葉を交わした。彼は私の故郷、大分の人だったから、あれっと思った。
 その後さらに国道を北上して、昼飯にぶっかけうどんを食べ、午後に立江(たつえ)寺、続いて恩山(おんざん)寺を参拝した。

☆ 立江寺山門
立江寺山門

☆ 立江寺大師像
立江寺大師像

☆ 恩山寺本堂
恩山寺本堂

☆ 恩山寺大師像
恩山寺大師像

 そして、午後三時頃徳島市に戻り、徳島駅近くのホテルへ入った。まだまだ時間があったので、ロープウェーで眉山(びざん)に登ることにした(^o^)。
 ホテルからロープウェー乗り場までは歩いて10分ほど。私は市内の通りを歩きながら、奇妙な感じを味わっていた。徳島駅近くは結構人通りがあり、地方都市のにぎやかさがある。今朝までの遍路道と札所とは別世界のような、いきいきとした空気があった。何より美人が多く目についたのが、我ながらおかしかった。むらむらっとこみ上げてくるものがあったからだ。不謹慎な想像ながら、空海も室戸岬から都へ帰ったとき、そのような気分になったかもしれないと思った(^.^)。

☆ 眉山(びざん)より徳島市を望む
眉山より望む徳島市

 夜はホテルの部屋でのんびりくつろいだ。今日は明星を見るために深夜起きるわけでもない。だからゆっくり寝れるだろう。そう思って私は午後十時過ぎ寝に就いた。ところが、深夜三時頃ふっと目が覚めた。そして、なんとなく起き出してホテルの窓から明星と月を探していた。妙な癖がついたもんだと思った(^_^;)。

 だが、窓から見えるのは眉山(びざん)の方向だった。西が見えているのなら、当然東の明星は見えない。
 ふと屋上なら見えるのではないかと思った。こうなるともういてもたってもいられない。徳島市内ではどのように明星が見えるのか。最後に確認したいと思った。
 そこで起き出して屋上へ向かう。屋上への通路はうまいことカギもかかっていず、外に出られた。
 ところが、そこから周囲全てが見渡せるわけではない。さらにその上に建物があって半分の百八十度ほどしか見渡せないのである。それにどの方角に向いているのかもわからなかった。
 それでも赤い灯の見える鉄塔の左側に見覚えのある光が輝いていた。輝度も強く明星に似ている。だが、下弦の月が見えない。その光は果たして明星なのかどうか。私はなんとなく上空を見上げた。天高くWの星形が見える。カシオペア座だった。それを見て私は確信した。カシオペア座との位置関係からして、低い位置で輝いている星は明星に間違いないと。

☆ 徳島市ホテル屋上より見上げた明星(午前3時24分)
徳島市ホテル屋上より見上げた明星(午前3時24分)

☆ 同上(午前3時27分)[かすかですが(^_^;)]
同上(午前3時27分)

☆ 同上拡大版(午前3時28分)
同上拡大版(午前3時28分)

 徳島で見る明星は太龍が嶽よりは小さかった。しかし、室戸岬よりは明るく輝いており、四方八方に広がる光の束もはっきりと見えた。室戸岬では灯台のライトが相当明るかったようだ。
 私はデジカメで二、三枚撮った。すると、ちょうどチップの容量が満杯となり、とうとうこの旅も終わったなと思った(^O^)。(続)



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