【その4】 狂短歌
さて「西安宵の明星旅」連載4回目です(^_^)。
(^_^)本日の狂短歌(^_^)
○ ひげそりとビアー求めて何千里 私ゃだまされM氏うはうは
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(^O^)ゆとりある人のための10分エッセー(^O^)
午後五時前ホテルに戻った。夕食まで一時間もあるので、M氏と外へ出ることにした。
私はひげそり、彼はビールを買いたかった(^_^)。
ホテルを出て大通りを北に向かって歩き始めた。
外国の街をガイドなしで歩くときは、いつでもちょっとどきどきする。
大通りは片側三車線と広い。歩道も幅数メートルはある。そしてずっと小さな商店が続く。
商店はまるで長屋のように軒が連なっている。つまり脇道となる路地が少ないのだ。
小さな店はどこも「火因・酒」と書かれた看板を掲げている。酒はわかるが、[火因]はタバコだろう。見るとジュース類もたくさん置かれている。しかし、ビールが見あたらない。
それに雑貨屋風でありながら、ひげそりのような日常小物も置いていない。
さらに言うなら、みな小汚い店ばかりである(^.^)。
通りを二十分ほど歩いて城壁と南大門が見える交差点に着いた。
この間コンビニはないし、雑貨屋もなかった。六時集合の約束なので、ここで引き返すことにした。
☆ 南大門と城壁
しかしその帰り道、ちょっとこぎれいな店でM氏がやっとひげそりを見つけてくれた(^_^)。
ホテルに良くある使い捨てタイプで、一袋に三ヶ入っている。
女性店員が三人きゃぴきゃぴと喋っている。店の規模からすると三人は多すぎるので、一人は客か友人だったかもしれない。
私は袋をかざして「ハウマッチ」と聞いた。一人が近づいて袋を調べる。
彼女は英語がわかるらしく「テン・ゲン」――つまり十元(約一八〇円)と答えた。
1本六〇円なら安いもんだ。それならいいやと私は十元札を出した。
すると彼女はお金を受け取ると袋の端をがさごそめくり始めた。
何をするのかと思ったら、袋の中からひげそりを一ヶだけ取り出して私に渡したのだ。
「やられた(^_-)」と思った。M氏は笑っていた。
帰り道でもビールが見つからないまま、ホテルまで戻った。
あきらめきれないのか、M氏は再度ホテル近くの「火因酒」店に立ち寄り、
「ビール? ビアー?」と聞いた。
しかし、やはり何度言っても通じない。
あきらめて帰ろうとしたとき、箱積みされたジュース類の一番下にビンビールの箱があるのを発見した。これは私が見つけた(^.^)。
「これだ! これだ!」と指さして値段を聞くと1本五元だという。
ホテルやレストランで注文すると1本二十元だからかなり格安である。冷えていないが、ホテルには冷蔵庫がある。
結局、M氏は二本買った。
☆ 夜市の通り
午後六時前ホテルに戻った。ロビーにはツアー同行者が集まり始めていた。
M氏はビールを部屋に持っていき、私は下で待つことにした。
ちょうどソファにはガイドのホーさんが座っていた。
私は「ビアーと言っても通じませんでしたよ」と言った。
するとホーさんは「ビールはフィジャーと言います」という。
ええっと思ったが、ホーさんはすましたもんだ。
それにしても英語のビアーが通じないとは驚きの国だと思った(^_-)。
そのときちょうどいい機会だと思った。
私は「明日単独行動をしたいのですが」とホーさんに切り出した。団体を離れて一人で歩きたいと。
彼は当然いい顔をしない。が、もう一人単独行動をする人がいるという。どうやらあの中国語を喋れる男性らしい。
自分の中国語がどこまで通用するか試したいのだろう。
ホーさんは「どこへ行くんですか」と聞く。
私は「この辺をただひたすら歩き回るだけです」と答えた。
それだけでは納得しないだろうと、私はさらに空海の小説を書くつもりだと打ち明けた。
そして千二百年前長安を歩き回ったであろう空海の気持ちを少しでも体験したい。
だから「小雁塔や大雁塔のあたりをどうしても歩きたいんです」と力説した。
ホーさんは「どうしても行きたいと言うのなら、断ることはできません。ただ、一筆書くからサインをしてもらいます」と言う。
私は「もちろんオッケーです」と答えた(^_^)。
それは私にとっても望むところだ。歩いている途中警察官に職務質問でもされたら、それを見せればいい(だがその後ホーさんに聞くと、それは彼が会社側に出す書類のことだった)。
その話し合いの最中、M氏が近くに座った。そして私とホーさんの会話を聞いて「やめた方がいいんじゃないか。みんなに迷惑だから」と言った。
みんなに迷惑というのはよくわからなかったが、私を心配しての発言だろうと思った。
それに単独行動中に何かあれば、確かにM氏やツアー同行者に迷惑をかけるかもしれない。
しかし、この機会を逃すと市内を歩き回るため、もう一度西安に来なければならない。
私はホーさんとM氏を説得した。表通りから路地には絶対入らないし、危険はないと思うと。
結局、ホーさんは了承した。M氏も不承不承ながらうなずいた。
その後六時からホテルで夕食。四川料理とのことだが、朝食と同じような味付けで、あまりおいしいと思えなかった。皿が出るタイミングも遅かった。
☆ 夜市の屋台
夕食後七時からイスラム系商人がやっている屋台を見学した。
ここでもホーさんは土産物の売り込みがしつこいこと、手を付けない方がいいこと、食べ物は「衛生面で危ないかもしれません」と注意した。
☆ 屋台の団子屋
結局、彼の先導でみな金魚のふんのようについて歩くだけ。最後に二、三十分のフリータイムでもあるかと思ったのに、歩いただけでバスに戻った。
ただ、ある屋台で彼はあん入りミツ掛けの平べったい団子のようなものをおごってくれた(^_^)。(続)
○ ひげそりとビアー求めて何千里 私ゃだまされM氏うはうは
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
後記:そろそろ衆院解散風が吹き始めたようです。千載一遇のチャンスだった民主党がまたもエラーで自滅しちゃったようですが、これで与野党五分五分になったというべきでしょう。問題は気まぐれ風のような浮動票がどこまで投票に行ってくれるか。権利であり義務でもある投票権を行使しないで「あとでぶつくさ言わないでほしい」などと思うのは私だけでしょうか(^_^)。(御影祐)
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