太龍山、空海修行の聖地

「新型コロナ感染」 その3

「新型コロナウイルス騒動を一読法から読み解く」




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『 新型コロナウイルス騒動を一読法から読み解く 御影祐の小論別稿 』 第 3号

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            不定期配信 2020年3月27日(金)



 前回(3月16日)から10日。世界の感染爆発はさらにすさまじく、日本にもそれが近付いている感じです。
 私が住む大分県もしばらく感染1名が続いていたのに、院内感染があっという間に20名を超える感染数となり、不名誉な九州トップになってしまいました。県は「これ以上の陽性はない」と言っていますが、最初の院内感染者がどこで誰にうつされたか、わかっていません。
 こうなると、回り回っていつ自分自身にやってくることか。覚悟しているとは言え、「こりゃあ感染、入院、最悪この世とおさらばかもしれん。言いたいことを書きまくっておこう」と決意しました。前号よりその後10日間です。

 [今  号
 第三回 コロナ感染さらに10日(3月26日)
 [ 8 ] その場しのぎの医療体制、その場しのぎの方針
 [ 9 ] 専門家という名の優等生たちの限界
 [ 10 ] 致死率数パーセントのまやかし
 [ 11 ] 100日後に死ぬ……は予言だったか
 [ 12 ] 死後は地獄か天国か

 第二回 『 コロナ感染その後10日 』(3月16日)
 [5] 覚悟と楽観的未来
 [6] とうとうパンデミック
 [7] マスク転売禁止法成立

 第一回 『 新型コロナウイルス騒動を一読法から読み解く 』(3月06日)
 [1] 最初に立ち止まったのはチャーター便の帰国とホテル隔離
 [2] 一人一人を優先するクルーズ船乗客乗員への対応(私案)
 [3] 事件は現場で起こっている……が
 [4] まとめと今後の予想


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 第3回 コロナ感染さらに10日(3月30日)


 本号の難読漢字
・重鎮(じゅうちん)・隠蔽(いんぺい)・露(あら)わに・中枢(ちゅうすう)・抽出(ちゅうしゅつ)・羅列(られつ)・最期(さいご)・殺生(せっしょう)
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************************ 小論「一読法を学べ」*********************************

 『新型コロナウイルス騒動を一読法から読み解く 』

第3回「コロナ感染さらに10日(3月26日)」

 [8]その場しのぎの医療体制、その場しのぎの方針

 先日発行した、もう一つの小論『一読法を学べ』の前号表題は「その場しのぎの教育・勉強をやめませんか」でした。
 それをここでも使うのか……といった思いですが、今朝(3月26日)「何それ?」の驚きの状況を知り、「東京もその場しのぎかあ」とつぶやきました。まずはそれを書きたいと思います。

 予感どおりばたばたとオリンピック延期が決まり、首都東京でコロナウイルス感染者が増え始め、25日とうとうこれまで最多41人の感染者が発生しました(26日も47人)。
 それを受けて都知事が「感染爆発(オーバーシュート)の可能性が高い」と記者会見するや、夜には都内スーパーで買いだめが始まり、棚からカップ麺や袋麺、肉類がなくなった、とのニュースが流れました。

 今朝一部ワイドショーでは、東京の感染症指定病院のベッド数が明かされていました。それによると、ベッド数150余りであると、そして、現在コロナ感染者の入院数は176人とありました。なんと、すでに感染者に対してベッド数が不足しているのです。
 東京都のベッド数は北海道の250余りに比べてもあまりに少なく、「えっ、なんでそんなに少ないの?」とつぶやきました。首都ですよ、首都。
 ほとんどの政治家と大臣、官僚、財界の重鎮など我が国をリードする人たちが住むところで、「そのベッド数ですか?」と言いたくなります。すでに世界では首脳側近まで感染が及んでいると言うのに。

 さらに驚いたのは、その報道の中で漏れ出た考えられない現状報告です。
 感染者が判明すると入院させねばなりません。ところが、「どこの病院に空きがあるかわからない」と言うのです。「え゛え゛っ」と叫びました。
 日本の首都ですよ、首都。日本における都市中の都市ではないのですか。しかも、なんでもかんでもコンピューターでシステム化・連結され、直ちに統計的数値が出せるはずの現代社会において「どこの病院にベッドの空きがあるかわからない」なんてあり得ますか?

 これ、感染症指定病院が500とか1000ある国の話ではありません。東京都だけならせいぜい数十でしょう。なのに、その病院のベッド数、入院者数、軽症から重症までの患者数、退院数、空きベッド数――などが毎日どこか一つの機関なりパソコンに集約され、その総数や現状が把握されている。それ普通の体制ではありませんか。もしも感染症指定病院が満杯になったら、どの病院を次に選定するか。それ決まっていると思いませんか。

 患者がどっと40人増えた。「軽症者は一般病棟に移ってもらって重症者だけ残そう」とばかりに、「そちらの病院はどうですか」といちいち電話するのですか。なんとアナログ的な、なんとその状況を想定していないことか
 最悪そのシステムがなかったとしても、2月初めからすでに2か月近く経過しています。中国武漢の先例がありながら、そのシステムを構築していないなんて「ありえへん」と思いました。
 結局、全てその場しのぎである。事態が起こってから考え、対応する生き方しかできない。だから、後手になる。だから、ばたばたになる。悲しいかな、そう思わざるを得ません。


 [9] 専門家という名の優等生たちの限界

 何度も同じことを書きます。国語で三読法[通読→精読]授業を学び、「終わった後でいろいろ考える・検証する」訓練しかやってこなかった人は現状認識が甘い、未来予想ができません
 通読の癖でぼーっと事態を眺めているから「蟻の一穴」を見逃す。だらだらと日を過ごし、気づいたときには小さな穴が堤防を破壊しかねないほど大きくなっている。あわてて「大変だ、大変だ。穴をふさげ」と騒ぎ始める。が、直後に堤防は決壊し、多くの人的物的被害を招く……。
 どうやら首都圏の爆発的感染、医療崩壊と都市封鎖は「起こる」方を予想すべきかもしれません(外れてほしいと祈っていますが)。

 私はこれまで政府・専門家グループを大本営に見立てて批判しました。首都圏封鎖が間近に迫った今、またしても大本営の隠蔽体質が露わになったようです。
 先週厚労省から大阪と兵庫の知事に対して「週末人の行き来を禁止(自粛要請)してください」との要望が届きました。根拠は「大阪・神戸で感染爆発が予想される」として具体的な推計値を示していたことです。両知事はびっくりして「往来は自粛してください」との声明を出しました。
 知事はそのとき「感染爆発が起こると、数万人の感染者が出る」との数値を公開した。それは厚労省にとっては「公開してほしくない秘密事項の推計値だった」というのです。なんともはや正に「大本営」そのものではありませんか。
 その後東京もその推計値を公開し、都知事の「感染爆発の可能性が高い」との声明となりました。

 厚労省が推計値を秘密にしたかったのは「パニックを引き起こすかもしれない」との親心でしょうか。あるいは、専門家が出した推計値を信頼しなかったのか。「平民は科学的数値を理解できない」と見下したか。
 理由はどうあれ、「全国民への推計値公開はやめよう」と決めたのはやはり政府大本営でしょう。
 欧米各国は都市や国境の封鎖が遅れたけれど、南米などは感染者数百人、死者数人の段階で都市封鎖に踏み切っています。感染爆発の推計値を信じたからでしょう。いや、他国の悲惨な状況を見れば、封鎖に踏み切るしかないのだと思います。

 それにしても、官僚と政府中枢が感染症の専門家が出す推計値を信じていないとすれば、かたや専門家もまた「こうなりますよ」と強く言えず、どこか弱々しい。言わば限界を抱えているように感じます。
 ここで専門家の限界=優等生の限界を書いておくことはムダではないと思います。「専門家が言っているから大丈夫だろう」と安易に信じてほしくないし、恐る恐る語る言葉を「大したことないんだ」と受け取ってほしくもないからです。
 以前も書いたように、2011年東日本大震災で最初に出された《専門家》の津波予想は3メートルでした。人々の多くはそれをさらに「半分かな」と受け取ったようです。
 実際に起こった30メートルを予想しろとは言わない。せめて10メートルの警報が出ていれば、多くの命が失われることはなかった。つまるところ、我々は自分の胸騒ぎや直感をこそ信じるべきだと思います。

 さて、専門家の限界とは彼らがものすごく優秀であることから起こります。
 小中高で成績優秀、大学入試もトップクラスで勉学を続け、ほぼ首席で大学を卒業。大学院を経て研究者として功なり名を遂げる。もちろん良い子だったから反抗的でなく、空気をよく読む温和な人たちが政府お抱えの専門家になります。

 これを逆に言うと、彼らには自分が劣等生と評価されること、テストで不合格を取るような事態を避けたいという感情が働きます。できるだけミスを避ける、完璧を目指す。それが優等生の特徴でもあります。何か発言した後、人から「あんたの言ったことは間違っていたじゃないか」と指摘されることは最大の屈辱です。

 すると、何が起こるか。ある事態が起こったとき「このままだと悪い状態が発生するかもしれない」と予測できても、その事態が1例、2例では何も言わない。数例、十例になって自分の仮説が正しそうだとわかったとき、ようやく物事について語り始める――そのような特質を持っています。

 この傾向は2月末に専門家グループが「クラスター感染が発生しつつある」と言い出したときに気づきました。
 多くの人が(私も)初めて聞いたであろうクラスター。「なにそれ?」と思って解説を聞けば、「フィットネス・ジムやライブハウスで発生した感染者」のことでした。院内感染もそれに当たると考えていいでしょう。

 そのとき専門家は「クラスターの事例が多数発生したので、イベントの中止・自粛などを求めます」と言い、総理の「大規模イベント自粛要請・小中高の休校」へと続きました。
 私はこのとき「2月初めにはすでにクラスター感染が発生していたのに、一例だけでは不確かだから、2例目3例目が出るのを待っていたな」と思いました。

 一例目とはもちろん東京屋形船の感染です。そして、2例目3例目が千葉のジムや大坂ライブハウスでの集団感染です。
 屋形船の段階――つまり2月半ばくらいに「今後小集団の感染が発生する可能性があるから、イベントや映画演劇、ライブハウスでの活動自粛(もっと強く中止)を求める」と言っていれば、2月後半のクラスター感染は防げたのです。

 防げなかった理由は専門家グループが間違った予想を言うことを怖れ、後で「それは間違っていたじゃないか」と批判されることを怖れて「クラスター感染がもっと発生するまで待とう」と考えたとしか思えません。
 テレビによく登場する(かなり優秀と思える)感染症専門家でさえ、「一例だけではなんとも言えない」と語ることが多かった。それが専門家です。

 彼らは優秀であるがゆえに、いいかげんなことは言えないと考える。研究は多くのデータを集め、その中の確かな事実を抽出する手法を取る。それだけに蟻の一穴程度では「危ない」と言えない。それが十か二十、穴がかなりの大きさにならないと、発言できない方々――それが専門家であると見なすべきです。
 もちろんその姿勢は正しい。平和時には。あるいは、1年後事態を振り返って検証するときには正当なやり方です。しかし、目の前に危機が迫っているときには(言い過ぎかもしれないけれど)役に立たない。緊急時には一例を見ただけで、二例目三例目につながる予想を出してもらわなければなりません。

 ただ、専門家は言うでしょう。「私たちはデータをまとめてわかること、数学的推計値を提出するだけだ。それを見てどう行動するか決めるのは国民であり、リードする政治家だ」と。
 これもまたごもっともな意見です。彼らは厳密を期そうとする研究のプロであって政治家ではない。
 どうやら政府中枢にいらっしゃる政治のプロである方々こそ、危機に際して的確な判断のできない、平和時の優等生に過ぎなかったのかもしれません。
 また、同じことを繰り返します。一例を見ただけで、二例目三例目につながる予想を立てることができるのが、最初から精読する一読法なのです。

 ちなみに、私が専門家という優等生の限界に気づいたのは、私がその上をいく優等生だからではありません。その逆です。私は中学校時代(田舎ながらも)優等生でした。しかし、高専に行き、人生初の0点を取る劣等生になったとき、完璧を目指して失敗を怖れる「優等生の限界」に気づきました。

 それはさておき、クラスターについてもっと驚いたのは小集団感染がすでに法律で予想されていたことです。それは2012(平成24)年5月に成立していた「新型インフルエンザ等対策特別措置法 」です。
 その中に「小集団感染発生の例として映画演劇やライブハウス、麻雀店」などがあるというのです。私は「知ってたんかい!」と突っ込み入れ、「そうか。だから、中国で麻雀店が破壊されたのか」とつぶやきました。

 覚えていらっしゃるでしょうか。1月末武漢の感染状況がテレビ報道されたとき、麻雀店の雀卓が警察によって破壊される映像がありました。
 あのときは「そこまでやるかねえ。ひどい国だ」と思いました。しかし、あれこそ小集団クラスター感染拡大を防ぐためだったのですね。過激すぎるけれど、あそこまでやらないと、庶民は言う事を聞かなかったのでしょう。
 中国の麻雀店破壊は正に蟻の一穴を意味していた。東京の屋形船はクラスター2例目だったのです。それを見落とした専門家、そして政府大本営。
 私は彼らに「一読法を学べ。そうすれば事態を注意深く見つめることができただろうに」と言いたい気持ちです。

 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は今は消滅した(?)野党政権時代の成立でした。現継承野党は2月初めから「新型コロナ感染を『等』に入れて、この法律を適用せよ」と言っていた(そうです)。しかし、政府与党はメンツにこだわったか、あれだけ法律の解釈、解釈でごり押しした総理なのに、使おうとしませんでした。結局、3月半ばになってようやくその中に「コロナウイルス感染」を入れることで適用できるようにしました。これもひと月遅いと言わざるを得ません。
 もっとも、政府大本営にとっては「オリンピックがあるので、おおごとにしたくない」との思惑が2月一杯続いていたと思います。その空気は専門家グループも読んでいたでしょう。だから、あまり過激な提言もせず、事態を眺めていた。
 ところが、2月末、突然総理が専門家グループに相談することなく、イベントの自粛要請、小中高一斉休校を決めた。すると「そちらがそうなら」とばかり、3月に入ると専門家独自の判断や予想を語り始めたようです。
 中でも私が注目したのは「どのくらいで終息すると思うか」との質問に答えて「未知のウイルスであり、特効薬・ワクチンもないので半年、1年続くかもしれません」と答えたところです。半年続くとは「夏のオリンピック開催不可能」との予測を述べたことになります。その後総理も専門家もお互い言いたいことを言い合うようになったような気がします。

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 [10] 致死率数パーセントのまやかし

 今回新型コロナ感染による致死率は2〜3パーセントと言われます。また、感染しても80パーセントは軽症で終わるとか、高齢者は重症化率が高く、80代以上は致死率10パーセントとも。
 数パーセントとは100人中数人であり、致死率10パーセントとは「10人中1人か。9人は助かるんだな」と思わせます。
 私はこれらの数字を白けて見ています。「まやかし」は言い過ぎとしても、「この数字は全体に対して言われているのであり、一人一人のことを考えていない」と思います。
 以前政府大本営と専門家グループが、中国武漢からチャーター機で帰国したときのことを書きました。帰国者を2週間隔離する際、「ホテルツインでは相部屋をお願いしたい」との方針を打ち出した。私はそれを「一人一人の気持ちなど考えていない」と批判しました。それと同じことをこの数字の羅列に感じます。

 たとえば、自分がコロナウイルスに感染して入院したとするなら、「高齢者の致死率10パーセントか、治る確率90パーセントか」と思うでしょう。それは100人のコロナ入院患者を、横一列に並べたときの話です。確かに10人が亡くなり、90人が助かるのでしょう。
 だが、自分一人で考えるなら、「私は死ぬか生還するか」の二択です。つまり、生き残るか死ぬかは五分五分であり、自分にとって死ぬ確率は50。どうして「自分は10人中9人の側に入る」と予想できるのでしょうか。さらに、持病の高血圧や糖尿病があれば、死ぬ側に流れる可能性が高いと言われています。
 しかも、もっとも致死率の高い――医療崩壊のイタリアではすでに重症者に関してトリアージが行われているようです。一説によると、「人工呼吸器が1ヶしか使えないとき、若者の重症者と高齢の重症者で高血圧や糖尿病の持病のある人のいずれに使用するか」と言えば、若者の重症者に使われていると。それもまた覚悟しなければならないようです。


[11] 100日後に死ぬ……は予言だったか

 昨年12月末ネットの一記事――『100日後に死ぬワニ』について書かれた」コラムに目が止まりました。ある漫画家がSNSに同名の4コママンガを連載していると。
 開始は12月12日で、一日一話ずつ更新され、下欄に「死まであと○○日」とカウントされている。カウントは99、98、97……と減り、今年1月1日は「21日目」と題しておみくじで「大吉」が出て「やったじゃん」と喜ぶワニ君と親友のネズミ君との会話が描かれる。おみくじには「良い一年になるでしょう」と書かれ、ネズミ君は「良かったじゃん!!」と言う。4コマ目にネズミ君が自分のおみくじを見て「あ、凶だ」とつぶやくと、ワニは「ドンマイ」となぐさめる。欄外には「死まであと79日」と書かれている……。
 そして、3月19日の99回目は「テレビで桜の開花が報道され、週末は花見日和でしょう」との予報を聞いて笑顔満開のワニの顔。どうやら翌日仲間達との花見が計画されていると思わせる。そのとき欄外には「死まであと1日」の文字。
 全部見ていないので、舞台がどこかわかりませんが、なんとなく首都圏の日常かなと感じました。

 驚くのは正に先週の東京。お彼岸3連休は桜が全国に先駆けて満開になっていたのです。
 もう一つ驚くのは3月20日(金)、その日コロナ感染で亡くなった人が全世界にたくさんいたこと。コロナウイルスに感染して死を迎えた人は、100日前――12月12日に「自分は100日後に感染症で死ぬかもしれない」などと夢にも思わなかったでしょう。イタリアではここ数日毎日700名前後の方が亡くなっています。

 私は首都圏に住む友人と電話連絡したとき、「出歩かない方がいいよ」と話しました。ことここに至っても、あまり深刻さが感じられない友人に対して「ちょっと新型コロナ感染は癌などの重病と意味が違います」と以下のようなことを語りました。

 それはコロナ感染によって重症化すると、最期は家族・親族、友人に看取られることなく、一人で死なねばならないことです。愛する人がベッドに伏して死を迎えようとしている。だが、そのそばに行くことはできない。手を握ることもできない。さらに、棺桶の中に入った家族と対面することもできず、火葬後ようやく会うことができる。それが今回の病気です。
 もちろん我々は一人生まれて一人死んでいく存在である。最期は意識不明状態となってあの世に召されるから、近くに誰がいるかはわからない。そうではあっても、自分を看取ってくれる人がそばにいてほしいと思うのではないでしょうか。
 やっぱり、うつらないよう家に閉じこもるべきだと思います。


 [12]死後は地獄か天国か

 誰も地獄・天国を信じていないでしょうが、いざこう書かれるといい気持ちではないかもしれません。しかし、ちょっと立ち止まって考えてみるのも「この人生をじっくりしっかり味わって生きる」という点で意味ある想像と思います。

 人間には魂があるのかないのか。死んだらどうなるのか。永遠の謎です。
 自然科学的には人間は原子分子が集まった物体に過ぎず、それが生命体となっているだけ。朽ちて死ねば、最終的には微細な原子分子に戻って空中に霧散する。それだけでしかないと言うでしょう。
 それでも生まれると魂が宿り、死ねば魂は地獄か天国に行くかもしれない。そして、また人間に生まれ変わるかもしれない。そう想像することは自由です。

 余談ながら、九州(と山口・沖縄)には「九州芸術祭文学賞」という名の公募文学賞があります。九県在住者のみ応募できます。予選は各県で行われ、1位が本選に進み、最優秀作は『文学界』に掲載されます。これまでその中から芥川賞作家も生まれています。

 私は帰郷後応募するようになり、3年前大分の1位になりました(本選は落選)。
 そのときの作品が『はてなのDZIGOKU(地獄)』です。主人公は高校1年生で文芸部に所属する、ペンネーム久保はてな君。彼は1月末交通事故で死に冥界に行く。瑠璃色の海を越え白砂の浜辺にたどり着くと、多くの死者に混じって歩き始める。広大な砂漠を進むと、白装束で仙人のようなエンマじいさんと会う。エンマ様は死者一人一人に天国か地獄行きを宣告している。
 だが、誰一人として天国行きを宣告された者がいない。はてな君が「天国はないと思います。人は生前犯した罪を償わねばならないから、みんな地獄に堕ちるでしょう」と言うと、エンマ様は「その通りじゃ」と答える。その後砂漠を進むと、「どこでもドア」のような地獄への入り口が現れ、はてな君は地獄へ堕ち、辛い責めを体験する……という物語です。

 実はその翌年『はてなのTENGOKU(天国)』という続編を書いて応募しました。
 私はそこそこ自信があったのですが、さすがにふざけていると思われたか予選敗退。
 この2作品は小論『一読法を学べ』が終わったら、メルマガ配信する予定です。
 『はてなのDZIGOKU(地獄)』では死者は全員地獄行きでした。一方、『はてなのTENGOKU(天国)』では「死者は全員天国に行ける」ことになっています(と構想しました)。こちらに地獄はありません。

 そこで、読者各位への問題です。人はなぜ死ねば必ず天国に行けるのか。それについて考えてみてください。私はどのような理屈を構築したか、それを推理する質問とも言えます。
 なお、答えは「善行をなしているから」ではありません。いくら善行を積んでも、人間は生きるために他の生き物を殺して食べている。「殺生」の罪は消えないから、全員地獄に堕ちるしかありません。しかし、エンマ様はある理由から、善人、悪人、普通の人まで「お前達はみな天国行きじゃ」と宣告するのです。
 さて、その理由とは?


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:いくつかメモ的に残しておきたいことを。最初「クルーズ船の対応」について「すぐ下ろすべきだ」という私案を書きました。すると、3月になってアメリカで乗員・乗客2400名のクルーズ船がやはり感染しているとして問題になりました。アメリカの対応は直ちに全員の下船と施設隔離でした。ただ、花札大統領は「クルーズ船に閉じこめろ」との考えだったとか。さもありなんのリーダーです。
 また、テレビは「コロナ感染」ばかりですが、三重県の伊勢で著名なお菓子の会社社長が「反社会勢力向けの焼酎を製造していた」として辞任しました。いずれこの話題を、大本営同様「独裁者は身近にいる」と題して語るつもりです。
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