般若心経白文



『 般若心経 』 講話


  『般若心経』は裏のない硬貨だから難解だった(^_^)



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  『 般若心経 』講話―― 『般若心経』の誤解と真実

 本欄は『般若心経』について解説するコーナーです。
 しかし、各語句の説明は省略したので、初心者向きではありません。すでに『般若心経』を読んだことのある人、書き下し文や口語訳・解説を読んだ人にお勧めの【 般若心経講話 】です。

 ただ、一般に流布している解釈や口語訳と比較すれば、私は最も簡単な解釈を提起しました。
 そういう意味では初心者向きです。

 『般若心経』を一度でも読んだことがあれば、《色即是空・空即是色》を説き、
 《ないないない。何にもない》と連呼する『般若心経』は「なんて難解なお経なんだ」と思われたことでしょう。
 その昔から現代まで、多くの僧侶・宗教家・哲学者・文学者が様々にその解釈を書いています。
 ところが、我ら凡人はそれを読んでも、なかなか意味がわかりません。

 なぜ『般若心経』はそれほどまでに難解なのか。理由はただ一つ、『般若心経』がコインの表だったからです。

 日本の硬貨は表に絵模様と漢数字、裏に洋数字が刻まれています。
 1円玉は若木、10円玉は平等院鳳凰堂、100円玉は八重桜、500円玉は桐の花と葉。

日本の硬貨の表

 しかし、もしも全ての数字が消されていたら、と考えてみてください。
 初めて日本に来た外国の人に、このデザインだけを示して、
「このコインの数字は何だと思う?」と聞いたら、頭をひねって適当に答えるしかないでしょう。

 実は『般若心経』とはこれでした。コインの絵模様がわかる表だけを見て、裏の数字はわからなかったのです。
 それゆえ、読んだ人は「これは1円だ」「いや10円だ」「そんなことはない100円だ、500円だ」と推理するしかありませんでした。あるいは、「値打ちがわからないことがこのお経の素晴らしさを表している」として、仏教の通説をあてはめることで『般若心経』を理解しようとしました。
 仏教の通説とは永遠なるものは何もないという《無常観》であったり、《ものは存在しない、我々があると思っているものは我々の心に映し出された像に過ぎない》という観念論(注※)の見方でした。あるいは、「『般若心経』はこだわりを捨て、執着を捨てて生きようと説いている」などと語られてきました。つまり、《無常》であり、《(煩悩からの)解脱》であり《(悟りを目指す)悟達》であると解釈したわけです。

 私は空海を研究する中で、『般若心経』が硬貨の表であることに気づきました。
 そして、「では、硬貨の裏は何であるか」それも発見しました。
 これから、みなさんにそれを紹介して『般若心経』の真の意味を解き明かしたいと思います。

 しかし、このことがわかってみると、『般若心経』はなんて誤解されていたのだろう、なんて誤訳されていたのだろうと思います。仏教の通説に従ってこのお経を理解することは誤りなのです。
 さらに、誤解を正そうとする私の解釈は、『般若心経』が難解ゆえに、神秘的で貴重なものとして尊崇した方々を失望させるかもしれません。
 なぜなら、硬貨の表と裏を見通した私の解釈・口語訳はとても簡単で単純だからです。難解さも神秘さもありません。『般若心経』は宇宙や人生の深遠なる真理が描かれているわけではなく、生きる技術・方法が書かれています。苦しみに満ちたこの世を気持ちよく生きるにはどうすればいいか、その見方・考え方・感じ方が説かれているのです。

 どうか「そんな簡単な意味だったのか」とがっかりせず、それを知った上で『般若心経』と付き合ってください。私は仏教信者ではありませんが、朝晩となえて心を軽くしています(^_^)。

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[2020年11月追加]
 狂短歌ジンセー論「三浦春馬さんの絶望」からこちらにいらした方――「今日は昨日と同じ一日、明日も今日と同じ生活。同じ、同じ、同じ……『こんな人生何の意味があるんだ』との絶望感をすぐにでも克服したい」方は、先に第四章を読まれるといいかもしれません。(御影祐)

 コラムの構成は以下の通りです。
  ==『般若心経』講話 目次 ==
 第一章 『般若心経』の真実…………全6節
 第二章 裏版『般若心経』全文………全11節
 第三章 『般若心経』の誤解…………全4節
 第四章 『般若心経』解説……………全11節

 一節はせいぜい十数行です。さほど時間はかからないと思いますが、一文字一文字出てくるので、最初はいらつくかもしれません。どうか、先をあせらず、ゆっくり読んでください。
 一画面の文字が出尽くしたら、もう一度読んで次の画面に進む→一章を終えたら、二章に進む前にもう一度一全体を読み直す→そして二に進む。この繰り返しがおすすめです。特に二章は訳だけでも二度読んでから三、四に進んでください。最終節でまたお会いしましょう。     御影祐  m(_ _)m


→ 『般若心経』の真実へ


 ※注……「観念論」についての説明はこちら→『空海論文編』18「観念論と唯物論」

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