本作は『空海マオの青春』小説編に続く論文編です。空海の少年期・青年期の謎をいかに解いたか。空海をなぜあのような姿に描いたか――その探求結果を明かしていきます。
空海は何をつかみ、人々に何を説いたのか。私の理解した範囲で仏教・密教についても解説したいと思います。
[画像は室戸岬双子洞窟より眺める空と海]
第 1 始めに その1……「四喜八喜」をテーマに空海に至る始めの一歩を記します。
第 2 始めに その2……論文編開始前に「理屈と感情」について語ります。
第 3 「空海の前半生」前期……空海の生い立ち、大学寮入学・退学、仏教入門から室戸岬体験までを大まかに。
第 4 「空海の前半生」後期……『
第 5 「マオの朝立ち」……空海マオ十四歳、叔父と上京した日の《朝立ち》について。
第 6 「大学寮入学前のマオと長岡京」……大学寮入学前三年間のマオ。
第 7 「大学寮入学後の失望と絶望」……大学寮入学直後のマオと二人の同期生――藤原仲成・藤原緒嗣。
第 8 「
第 9 「蛭牙公子=空海マオ」論 その2……『
※注『
第10 「蛭牙公子=空海マオ」論 その3……
第11 「蛭牙公子=空海マオ」論 その4……蛭牙公子とは空海マオ自身の戯画化であることを論証。
第12 「蛭牙公子=空海マオ」論 その5……「
第13 「蛭牙公子=空海マオ」論 その6……「聾瞽指帰」に『草稿』があった可能性について論及。
第17 「空海の最終境――全肯定」その1……空海密教の到達点「即身成仏」=全肯定について語ります。
第18 「空海の最終境――全肯定」その2……『般若心経』理解のために観念論と唯物論について語ります。
第19 「空海の最終境――全肯定」その3……『般若心経』講話、完成のお知らせ。
第20 「前半の補足・伏線について」……僧界転出前の前半部まとめと伏線について。
第21 「仏教入門」その1……仏教入門前期の流れと「神仏習合」について。
第22 「仏教入門」その2……奈良仏教の七大寺・南都六宗について少々解説。
第23 「南都仏教への失望」その1……マオが山岳修行に乗り出したわけを、二冊の史書から探ります。
第24 「南都仏教への失望」その2……南都学問仏教の詳細とマオの思いについて。
第25 「南都仏教への失望」その3……大寺院による高利貸しのような経済活動「
第26 「南都仏教への失望」その4……鎮護国家仏教への異和感について。
第27 「山岳修行」その1……山岳修行突入から百万遍修行まで五年間の中身を確定させます。
第28 「山岳修行」その2……山岳信仰とはそもそもいかなるものであったのか、少々語ります。
第29 「山岳修行」その3……マオが修験道の中に道教・神仙思想を見出したことについて。
第30 「山岳修行」その4……マオが感じた道教・神仙思想の魅力と失望について。
第31 「仏教回帰」その1……『三教指帰』仏教編より空海マオの仏教解説を眺めます(前半)。
第32 「仏教回帰」その2……地獄・天界・修羅界を中心に「六道」について。
第33 「仏教回帰」その3……六道のうち「人間・人間界」について。
第34 「仏教回帰」その4……六道+四界の「声聞・縁覚・菩薩・仏界」について。
第35 「仏教回帰」その5……極楽に行くための「十善戒・八正道」について。
第36 「仏教回帰」その6……極楽に行くための「六度万行・七覚支・四念処」について。
第37 「仏教回帰」その7……仏教入信の誓い「四弘誓願」について。
第38 「仏教回帰」その8……マオは仏教の布教に乗り出せたかどうか語ります。
第39 「百万遍修行」その1……百万遍修行と二度行った事情などを考察します。
第40 「百万遍修行」その2……なぜ太龍山だったか、なぜ室戸岬双子洞窟だったか、解明します。
第41 「百万遍修行」その3……聖地についての補足と、大いなる《偶然》について語ります。
第42 「百万遍修行」その4……2004年7月深夜、私は南の舎心岳に登って明けの明星を追体験。なんと怖かったことか(^_^;)。
第43 「室戸百万遍修行」その1 ……双子洞窟での追体験、まずは太龍山から室戸岬までの移動を語ります。
第44 「室戸百万遍修行」その2……翌日室戸岬双子洞窟から眺めた未明の月と明星は失望に終わりました。
第45 「室戸百万遍修行」その3……百万遍修行太龍山と室戸岬はどう違ったのか考察。
第46 「室戸百万遍修行」その4 ……真言称名に力があることを確認した空海マオのその後を推理。
第47 「室戸百万遍修行」その5……室戸岬におけるマオの性的衝動について推理。
第48 「室戸百万遍修行」その6……苦しいことを二度やる意味について語ります。
第49 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その1……『
第50 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その2……両著の結論とも言うべき「十韻賦」の異同を検証。
第51 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その3……「三教は我らを導く」が早くも全肯定であったことを論証。
第52 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その4……『三教指帰』は『十住心論』の萌芽であったことを論証。
第53 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その5……『三教指帰』脚本化の試みと追加すべき二幕について。
第54 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その6……室戸岬百万遍修行における明星との交感――それは自然との溶融ではない。
第55 「『聾瞽指帰』と『三教指帰』」その7……『三教指帰』の文学史的評価について新説を提唱。
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